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ヴェネツィアの宿 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2023/04/17

私小説寄りのエッセイ。 冒頭から親族の話が濃く重く、字も小さいし、これは時間がかかるか…と思いきや、良い意味で文章と構成に摩擦力がほとんどないようで、読みたいように進められた。 戦後にひとりヨーロッパに渡り、「自分がカテドラルを建てる人間にならなければ意味がない」くらいの心意気...

私小説寄りのエッセイ。 冒頭から親族の話が濃く重く、字も小さいし、これは時間がかかるか…と思いきや、良い意味で文章と構成に摩擦力がほとんどないようで、読みたいように進められた。 戦後にひとりヨーロッパに渡り、「自分がカテドラルを建てる人間にならなければ意味がない」くらいの心意気で未知の領域に踏み込む勇気とは、いかほどのものか。

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2020/08/12

数年前のフィンランド出張時に、「須賀敦子ゆかりの地を訪ねるツアー」の参加者と隣り合わせたことがある。参加者は全員女性で、私と同世代からちょっと上って感じだったろうか。須賀敦子の名前は知っていたものの、本は読んだ事も、彼女についての知識も持ち合わせていなかったが、日本からツアーを組...

数年前のフィンランド出張時に、「須賀敦子ゆかりの地を訪ねるツアー」の参加者と隣り合わせたことがある。参加者は全員女性で、私と同世代からちょっと上って感じだったろうか。須賀敦子の名前は知っていたものの、本は読んだ事も、彼女についての知識も持ち合わせていなかったが、日本からツアーを組む程の魅力を持っている「須賀敦子」とは何者なのか?という思いがずっと頭の片隅に残っていた。機上での話で、彼女は十数冊しか著作がないという事だったので、とりあえず最初の1冊という事で購入。 一昔前のお金持ちの子女の留学経験には何となく似たものを感じる。まだ日本が経済的にも文化的にもまだまだだけれども、活力と成長力でもって猪突猛進する日本の恩恵を感じながら、それと同時にその様な日本に違和感を感じるといったものだろうか。父親に対しても、祖国日本に対すると同じ思いを持ちながらも、父から完全に離れるという手段を選ぶでもなく、日々の生活が描かれていく。 今になって、あの隣り合わせた方に須賀敦子の魅力をもっと詳細に聞いておくべきだったと後悔。。。。

Posted byブクログ

2013/04/08

「ミラノなんて、おまえは、遠いところにばかり、ひとりで行ってしまう」 やわらかい言葉えらびが やわらかい本の触感とあいまって 値段はすこし高いけど文春文庫じゃなくてこっちで読んでみた。 須賀さんのエッセイをわたしは初めて拝読したのですけど するすると優しく絹のようになめらかかと...

「ミラノなんて、おまえは、遠いところにばかり、ひとりで行ってしまう」 やわらかい言葉えらびが やわらかい本の触感とあいまって 値段はすこし高いけど文春文庫じゃなくてこっちで読んでみた。 須賀さんのエッセイをわたしは初めて拝読したのですけど するすると優しく絹のようになめらかかと思いきや、ときどきプツッと針で指をさしてふくらむ赤い血のように プツッと痛みを与えてくる。 ひとつひとつの終わり方が、後ろ髪をひく隙もなく、なんていう哀愁なんだろう。 突然、幕をおろされる潔さがある。 父親には愛人がいて、「私」はそれを確かめに京都まで行って、愛人のところから帰ってきた母親は、父親に手紙でこう告げる。 ―――かたちだけだって、ぜんぜんないよりはましなのでしょう。――― それってどういうことだろう?と興味を持たれた方はお読みください。 石田千に初めて触れた感動があったなあ。 須賀敦子コレクション、読破したい。

Posted byブクログ

2012/05/24

福岡ハカセが、好きな作家としてあげていたのが須賀敦子。書き直す必要を感じない文章…だとか。 とりあえず、30ページまで読んでみた。 まだ良くわかんないけど、 父親との関係を語り始めたので…重そう。 図書館で借りて2週間経ってしまったので、一旦返却。 また借りるかどうかは不明。

Posted byブクログ