ブードゥー・チャイルド の商品レビュー
歌野晶午、前期の傑作。 雰囲気作りが丁寧なので、トリックの意外性がそこまででもないのに不思議と大きく見える。 本格ミステリにおける舞台設定は、やはり「それでしかない」と思わせるのが第一条件だと思う。 このトリック(真相)にはこの舞台が最適だと思わせてくれた。 探偵役も独特のキャラ...
歌野晶午、前期の傑作。 雰囲気作りが丁寧なので、トリックの意外性がそこまででもないのに不思議と大きく見える。 本格ミステリにおける舞台設定は、やはり「それでしかない」と思わせるのが第一条件だと思う。 このトリック(真相)にはこの舞台が最適だと思わせてくれた。 探偵役も独特のキャラクターで楽しい。 発刊当時に読んでいたら衝撃は倍以上だったろう。 ①魅力的な謎……6/6 ②精緻なサスペンス……4/6 ③鮮明な結末……5/6 ④印象的な文章表現……5/6 ⑤先鋭的なテーマ性……5/6(当時においては、という注付きで) 計25/30 星4
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月並みな感想だけど面白かった! 日下部晃士は前世の記憶を持っていた。 自分は黒人のチャーリーと言う名前で、悪魔バロン・サムデイに母親を殺された。 そして現世でも事件が起こってしまう。 途中で、悪魔の紋章の秘密に気づき、晃士の前世や出生の謎にも気づいたので、あっと驚くような展...
月並みな感想だけど面白かった! 日下部晃士は前世の記憶を持っていた。 自分は黒人のチャーリーと言う名前で、悪魔バロン・サムデイに母親を殺された。 そして現世でも事件が起こってしまう。 途中で、悪魔の紋章の秘密に気づき、晃士の前世や出生の謎にも気づいたので、あっと驚くような展開はなかったけれど、辻占ジュリアンの登場が凄く良かった! ジュリアンは実はチャーリーの弟だったとか、そんな展開があったら良かったなぁ。ジュリアンがもっと活躍する話があってもいい。と言うか望んでいます。
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前世の記憶に悩まされる少年。そしてホラーチックなタイトル。ホラーかな、SF要素もあるのかな、と思わせておいてミステリーで着地。 さくさく読めて面白かった。
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少年の前世の記憶の謎を解く物語。 早い段階から、なんとなく結末は読めるんだけど、それなりに面白かった。 ただねぇ、産みの母親と育ての母親を両方とも殺されたわけでしょ、この少年は。 にしては、理解がありすぎる気が。 もうちょっと心の傷は深いと思うんだけどな。
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前世の記憶がある主人公が、記憶によく似た状況で義理の母親を殺される。そこに残された紋章は記憶にあるバロン・サムディの紋章だった。 義理の兄弟と推理を進めるうちに、日下部晃士の実の母親の隠された秘密に行き当たる。 強引な展開だが、歌野晶午らしいアット驚く展開が待っています。
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伏線回収の後半はサクサク読めるが、歌野氏とは思えない全体に軽い 印象はあった。 やはり無理やりにでも大きくひっくり返してもらいたかったかな。 個人的にはタイトル負け・・・・って感じ。
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1998年に単行本として刊行されたものなので、作中のネットや不妊治療に関する記述が古いのも仕方ない。目をつぶるほどの欠点でもなかったかな。とりあえず面白かった。 どこかの文章で歌野の評価が高くなったのは「ブードゥー・チャイルド」以後だというのを読んで以来、ずっと読みたかったもの。前世の記憶のある少年が巻き込まれる現世での殺人事件のお話。伏線がきれいに盛り込まれていたなぁという印象。「前世」での記憶で兄たちからぬるぬるとした指で撫でつけられた、という部分だとか、悪魔の口にする言葉の理解不能性だとか、うまいなぁ、と思った。まあ、一番うまいなぁと思ったのはもちろん「悪魔の絵」だけど。 真相が暴かれていく途中で代理母である可能性には気づけるが、それなりに騒がれて知識として知っていたからすぐ気づけただけだと思う。 誤解が誤解を呼んで誤解のまま誤解から起こった事件、みたいな。 抜粋。 「両親があんな目に遭って、誰をかばうというんです」 自分をかばうためにぬけぬけとそう言えてしまうのだから恐ろしい。
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大好きだーこういうの。 子どもが主人公だけど、会話とかも不自然じゃなくてすんなり読めるし、全体的に癖がない。 「前世の記憶」を「輪廻」の不思議な話で落とすのか「リアル」な理由付けで落とすのか。 そして現在進行中の殺人事件とどういう風にリンクするのか。 ドキドキ。 読み終わった時に...
大好きだーこういうの。 子どもが主人公だけど、会話とかも不自然じゃなくてすんなり読めるし、全体的に癖がない。 「前世の記憶」を「輪廻」の不思議な話で落とすのか「リアル」な理由付けで落とすのか。 そして現在進行中の殺人事件とどういう風にリンクするのか。 ドキドキ。 読み終わった時にはため息。 素敵過ぎ。 しばらくこの作家さんにハマッてみます。
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前世で殺された記憶を持ったまま生まれ変わった少年の話。 別作品の「密室殺人ゲーム」のように、ちょうどその頃に流行った?社会的な ことがうまく作品に取り入れられているお話でした。
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