ビンテージ・ラブ の商品レビュー

ルーシー・ゴードン(著者),竹内喜(訳者)

2013/02/24

とにかくヒーローの造形がうまい。周囲がつい甘やかしてしまう、憎まれないお調子もの。大人になりきれない無邪気な残酷さ。
十歳の娘がいる未婚のヒロインと、娘の父親であるヒーロー。ヒーローは本人の努力と周囲の助けで成功を収めたオーナーシェフとして地元のテレビ局で番組も持ち、女性に不自由したことはないが結婚の罠からは逃げ続けている。今回もまたあやうく罠にかかりそうになったところへ、娘とヒロインが突然訪ねてきてくれたおかげで上手く逃れる。
このヒーローの成功の陰で、娘を一人で育てることを選んだヒロインは自分がなりたかったシェフの夢をあきらめ、下宿屋を経営しながら恋愛もせずに母に徹していたんだよね。過去に関係を持った相手とどこまで関わるべきかという正解はないと思うので、ヒーローに誠意がなかったとは言えないんだけど。妊娠が分かった時点で（断られると予想しながら）プロポーズもしてるわけだし。

イギリスとアメリカに別れて一度も会わないまま金銭的援助だけを続けてきたヒーローが、娘とヒロインと過ごす時間を経てもう一度ヒロインに惹かれ、帰国しようとする二人を引き留めてプロポーズをするけど、ヒロインからすればそれはあまりに自分勝手に思えて（これはヒーローにとっては青天の霹靂だろうけど女性の立場からざまあみろ感を覚える）、更にヒロインは隠していたけど実は帰国後に心臓病の手術を受けるためプロポーズを断ってしまう。
ヒロインの病気を知って動揺したヒーローがあてもなくドライブに出て思考停止している間に、ヒロインはさっさとイギリスに帰国して手術室に入っている。あわてて追いかけるヒーロー。でもこの追いかける手配もヒーローの精神的おねえちゃんのような（過去に男女関係があったとしても不思議じゃない関係の）女性がやってくれたんですけどね。

手術の後、ヒーローがまだ予断を許さない状況のヒロインに何度目かのプロポーズ。そして病室で結婚式。この流れにはうるうるきた。（ここはもちろんハーレクインなんでハッピーエンドを迎えるわけですが）
身近に似たタイプがいて迷惑をかけられていたら絶対に許せないだろうと思うけど、私はダメンズ好きの気があるので楽しく読めた！

2019/01/16

再会もの。
ヒロインは女手ひとつで下宿屋を切り盛りしている。ヒロインが子供を生んだことをヒーローは知ってるが、独身生活を満喫し、子供に会おうとしたこともなかった（でも憎めないタイプ）。ヒーローがヒロインや子供や自分と向き合っていく話。

内容（「BOOK」データベースより）　　　　　　
ロンドンのホテルで働いていたとき、ピパはアメリカから料理の修行に来ていたルークと出会い、四カ月間ともに暮らした。やがて彼から帰国を告げられたが、引き留めはしなかった。女性との絆によって自由を束縛されることをルークが何より恐れているのを知っていたから。彼と別れたあとで妊娠に気づいたピパは、未婚のまま子供を産み、たった一人で娘を育ててきた。そして、十年。ピパは娘を連れてカリフォルニアを訪れた。今やレストラン経営者として富と名声を手にしている彼に会うために。重い心臓病と診断され、彼女はいつ命を失ってもおかしくないのだ。ピパは真実を告げようとするが、いざルークと再会すると、自分の病気をとても口にすることができず…。

2011/01/16

N-873　　
# ハーレクイン・リクエスト版 HR-92カップリング: 愛の秘薬はいかが？（アン・メイジャー）
ロンドンのホテルで働いていたとき、ピパはアメリカから料理の修行に来ていたルークと出会い、四カ月間ともに暮らした。やがて彼から帰国を告げられたが、引き留めはしなかった。女性との絆によって自由を束縛されることをルークが何より恐れているのを知っていたから。彼と別れたあとで妊娠に気づいたピパは、未婚のまま子供を産み、たった一人で娘を育ててきた。そして、十年。ピパは娘を連れてカリフォルニアを訪れた。今やレストラン経営者として富と名声を手にしている彼に会うために。重い心臓病と診断され、彼女はいつ命を失ってもおかしくないのだ。ピパは真実を告げようとするが、いざルークと再会すると、自分の病気をとても口にすることができず…。

2009/11/11

ロンドンのホテルで働いていたとき、ピパはアメリカから料理の修行に来ていたルークと出会い、四カ月間ともに暮らした。やがて彼から帰国を告げられたが、引き留めはしなかった。女性との絆によって自由を束縛されることをルークが何より恐れているのを知っていたから。彼と別れたあとで妊娠に気づいたピパは、未婚のまま子供を産み、たった一人で娘を育ててきた。そして、十年。ピパは娘を連れてカリフォルニアを訪れた。今やレストラン経営者として富と名声を手にしている彼に会うために。重い心臓病と診断され、彼女はいつ命を失ってもおかしくないのだ。ピパは真実を告げようとするが、いざルークと再会すると、自分の病気をとても口にすることができず…。

自分の病気を考えてヒーローとの再会を望んだヒロインの心情が切ない。もし病気にならなかったら、再会はなかったかも。それくらいヒーローの無責任ぶり。もちろん送金はしているから、まったく援助はしていないということはないけど、出産にも立ち会わなかったというのはどうなんだろう。そんなヒーローなのにずっと愛し続けているヒロイン。父と娘、ヒーロー家族とヒロイン、それぞれの交流が心温まるもので良かった。
自分の無責任さに気がつき、ヒロインの手術に動揺するヒーロー。お約束の展開だけど、胸が詰まる。