1,800円以上の注文で送料無料

風の陣 立志篇 の商品レビュー

4.2

27件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    13

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

[立志篇]に続いての…

[立志篇]に続いての第2作目。本作は「恵美押勝(えみのおしかつ)の乱」と呼ばれるものをベースに描いていますが、大半は著者の創作です。嶋足・天鈴ら蝦夷の前に立ちはだかった敵を葬り去るために、天鈴が謀略の限りを尽くしてます。前作では天鈴に怒鳴られ続けた嶋足もちょっとは成長したようです...

[立志篇]に続いての第2作目。本作は「恵美押勝(えみのおしかつ)の乱」と呼ばれるものをベースに描いていますが、大半は著者の創作です。嶋足・天鈴ら蝦夷の前に立ちはだかった敵を葬り去るために、天鈴が謀略の限りを尽くしてます。前作では天鈴に怒鳴られ続けた嶋足もちょっとは成長したようですし、新たな仲間も登場し、彼らが今後どのような活躍をしてくれるのかも楽しみです。ただ、奈良の都での政争を中心に描いているので、蝦夷が虐げられている様があまり感じられないのは残念。これがあるからこそ、話が盛り上がるんで

文庫OFF

三部作の第一部。奈良…

三部作の第一部。奈良時代におきた橘奈良麻呂の乱を蝦夷を躍動と葛藤をからめて書かれている。

文庫OFF

私の一番好きな小説『…

私の一番好きな小説『火怨』の前編にあたる作品の第1巻。 主人公は、火怨の中で蝦夷を守るために働いてきたと書かれていた丸子嶋足(まるこのしまたり)、伊治鮮麻呂(これはるのあざまろ)、そして物部天鈴(もののべのてんれい)。本作では「橘奈良麻呂(たちばなのならまろ)の乱」と呼ばれている...

私の一番好きな小説『火怨』の前編にあたる作品の第1巻。 主人公は、火怨の中で蝦夷を守るために働いてきたと書かれていた丸子嶋足(まるこのしまたり)、伊治鮮麻呂(これはるのあざまろ)、そして物部天鈴(もののべのてんれい)。本作では「橘奈良麻呂(たちばなのならまろ)の乱」と呼ばれている戦いを描いているのですが、私はこの乱の名前すら知りませんでした(^^;;。火怨では蝦夷と朝廷の力と力のぶつかり合いでしたが、今回は朝廷における政争が中心のため火怨のようなすっきり感とは縁遠いですね。嶋足のポ

文庫OFF

2022/08/20

人間って汚い。自分もそうだけど、どこまで人間て汚いのかと嫌になった。 なんのために?が重要。 嶋足はいいやつだけど、流されやすいし染まりやすい。すごいわかる。 天鈴が、一体何者なのか。キレすぎ。

Posted byブクログ

2020/08/31

蝦夷と朝廷との何世紀にもわたる民族対立を描く。 朝廷からの侵略を防ごうと、丸子嶋足や物部天鈴、伊治鮮麻呂らが、朝廷の中で暗躍する。 橘奈良麻呂の変など、権力闘争での葛藤を蝦夷を絡めて展開していくのが面白い。

Posted byブクログ

2019/04/20

高橋先生特異の東北蝦夷のお話 昔、藤原の郷に遊びに行ったことある さて、話は大好きな奈良時代 奈良麻呂の乱に至るリアルな戦い 続日本紀に書かれているのと同じ展開 (当たり前だったな) 主人公は何に拘って大望を失うやら

Posted byブクログ

2017/10/09

「炎立つ」にすっかり魅せられたので時代を遡って本シリーズに突入。 第1巻はひたすら朝廷の政争に終始していますが、文明が未成熟なせいか、やり方がいちいちえげつない。但し蝦夷や物部氏を中心に個性溢れる魅力的な人物が続々登場しており、嫌気を覚えることなく先の展開を楽しみに読み進めること...

「炎立つ」にすっかり魅せられたので時代を遡って本シリーズに突入。 第1巻はひたすら朝廷の政争に終始していますが、文明が未成熟なせいか、やり方がいちいちえげつない。但し蝦夷や物部氏を中心に個性溢れる魅力的な人物が続々登場しており、嫌気を覚えることなく先の展開を楽しみに読み進めることができました。 既にこの時代から日本の政治家は政より権力争いに執心していたとは。ちょうど読んでいる最中に希望の党が結成された現代との類似性が、何とも情けなくて可笑しいです。 名前が似ていて区別がつかなくなるという恐ろしい噂の「麻呂麻呂地獄」も、巻頭の人物紹介欄の助けを借りながら何とかクリアできそうかな。

Posted byブクログ

2017/08/22

全5巻にもかかわらず、1巻だけでも充分に見せ所が用意されており満足感が高いです。現代にも通じるような感情の機微、揺れが丁寧に描かれているところがお気に入り。 それぞれの策略が蠢く中、誰を信じるのか。それが生死や一族の盛衰にまで関わることがこの時代の恐ろしさ。2巻もすぐに手にとって...

全5巻にもかかわらず、1巻だけでも充分に見せ所が用意されており満足感が高いです。現代にも通じるような感情の機微、揺れが丁寧に描かれているところがお気に入り。 それぞれの策略が蠢く中、誰を信じるのか。それが生死や一族の盛衰にまで関わることがこの時代の恐ろしさ。2巻もすぐに手にとって読みたくなる臨場感です。 登場人物が多いせいか前半少し読み進みにくいですが、後半には慣れてしまいます。

Posted byブクログ

2017/05/29

 8世紀中頃の黄金発見に端を発する奥州動乱と中央政権の血生臭い権力抗争を描く大河ロマン第1弾。  これまで奈良時代を舞台にした作品を読んだことがなかったので、人物等もなじみがなかったのですが、主人公の丸子嶋足をはじめ、権力に固執する藤原一族など、一人一人が生き生きと描かれ、あっ...

 8世紀中頃の黄金発見に端を発する奥州動乱と中央政権の血生臭い権力抗争を描く大河ロマン第1弾。  これまで奈良時代を舞台にした作品を読んだことがなかったので、人物等もなじみがなかったのですが、主人公の丸子嶋足をはじめ、権力に固執する藤原一族など、一人一人が生き生きと描かれ、あっという間に奈良時代の歴史舞台に入り込んでしまいました。  武士ではなく貴族の時代にあれほどまでの権力闘争が繰り広げられていたことに、正直衝撃を受けました。  陸奥の平和を目指して、躍動と葛藤を重ねていく若き蝦夷たちのこれからに期待が高まりました。  この1巻でも十分一つの作品として読むことができますが、やはり蝦夷たちの生きざまを見届けたいと思わずにはいられず、すぐに2巻に進んでしまいました。  

Posted byブクログ

2015/10/18

なんというか、非常に作者らしい物語だった。 奈良時代の歴史的出来事を蝦夷の側から描く歴史小説。 東北を舞台とした歴史小説を数多く描いている作者のいわば十八番の舞台だ。 作者にはこれより先に『火怨』という蝦夷の英雄アテルイを描いた作品があるのだけど、今回はその一世代前の時代。 作...

なんというか、非常に作者らしい物語だった。 奈良時代の歴史的出来事を蝦夷の側から描く歴史小説。 東北を舞台とした歴史小説を数多く描いている作者のいわば十八番の舞台だ。 作者にはこれより先に『火怨』という蝦夷の英雄アテルイを描いた作品があるのだけど、今回はその一世代前の時代。 作中には火怨で登場した人物たちの若き姿があって、ちょっと懐かしい。 奈良時代中期以降、政治的には橘奈良麻呂の変、恵美押勝の乱、道鏡皇位事件と波乱が続いて、小説の舞台装置としてはかなり面白い。 その中で蝦夷との関係がどう描かれるか、作者の腕の見せ所だろう。 シリーズ1冊目の本作では、橘奈良麻呂の変が舞台になっている。 ただ本巻では、事件の周辺での探り合いが主で、あまり派手な展開もなく、主人公の嶋足の活躍もあまりなく、正直なところちょっともの足らなかった。 まあ、そこは歴史的事実との関係で仕方ないのかもしれないけれど。 もうすこし、陰から事態を動かしたり敵を出し抜いたりするような、爽快感が欲しいところ。 次巻に期待したい。

Posted byブクログ