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三たびの銃声 の商品レビュー

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2009/10/04

個人的に、東南アジアを舞台にした作品は、娯楽として手にするには重たいので好きではない。これらの国々が直面している様々な問題を遠いどこか、として割り切る(切り捨てる?)ことも、だからといって自分が立ち上がることも難しい。そして本作は、愛と憎悪の話である。夢や希望や愛で語られるお伽要...

個人的に、東南アジアを舞台にした作品は、娯楽として手にするには重たいので好きではない。これらの国々が直面している様々な問題を遠いどこか、として割り切る(切り捨てる?)ことも、だからといって自分が立ち上がることも難しい。そして本作は、愛と憎悪の話である。夢や希望や愛で語られるお伽要素は皆無。登場人物に自身を重ねることは、愛が憎悪に変わる様子があまりにも生々しく描かれていて出来ない。けれど女への愛で豹変する様、愛が冷めたときの女の態度がひどくリアルで。面白い、と言っていいのか。作品の精度は高い。けれど、辛い。何よりこれに尽きる。

Posted byブクログ