楽は堂に満ちて の商品レビュー

朝比奈隆(著者)

2012/10/20

朝比奈隆自伝。
若いときの虚弱、がり勉、京大時代の楽しそうさがとっても面白い。阪急に勤めていたんだなあ。もちろんお金持ちの坊っちゃんというのは大前提だけど、思いきったことをやっているのが楽しい。
メッテル信者っていう書き方が、一歩離れた表現で面白い。若いときの¨先生¨ってのがようわかる。
日本の西洋楽団の始まりや経緯、歴史の流れを、時代の流れと共に追体験している気分になれる。
ロマンティックな曲も好きです私…！

2011/09/15

戦後、満州から帰還する際の状況など、ただの指揮者の物語ではなく、戦前・戦後を通じた関西・日本の姿が浮かび上がる。
戦前の上海交響楽団のレベルの高さは想像がつく。
タイトルになっている「楽は堂に満ちて」は、聖フローリアン寺院でのブルックナー七番について。伝説ともなっている演奏の様子が指揮者本人の言葉で語られると、ぞくぞくする。