桃子 の商品レビュー
手塚治虫の『奇子』みたいな話だな(全然違う)。 いや、全然違うんだけど、何だろう。 淫靡で背徳的、 閉鎖的な陰湿、 厳格の中の猥雑な乱れ、 それでいてイノセンスな美しさが、 ことごとく奇子を彷彿とさせるのかな。 遠野物語っぽくもある。
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それは本当に恋なのだろうか。 自分がいなければこの子はダメだと思ってしまったのではなだろうか。 それは庇護欲だったりしないのだろうか。 でも、実際のところ、恋ってなんなんだろうか。 和尚さん、話聴くのがお仕事じゃないのかな。 例え弟子でも、身内でも、ちゃんと話を正面から受け止めて...
それは本当に恋なのだろうか。 自分がいなければこの子はダメだと思ってしまったのではなだろうか。 それは庇護欲だったりしないのだろうか。 でも、実際のところ、恋ってなんなんだろうか。 和尚さん、話聴くのがお仕事じゃないのかな。 例え弟子でも、身内でも、ちゃんと話を正面から受け止めてあげてよ。 誰が悪いなんていいたくないけど、今回の件は、和尚さんの責任超重いと思うよ。
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のう、お客人。あなたも困った方だ。よっぽど好奇心が強いとみえる…。 という和尚のセリフから始まる物語。 寺に預けられてきた7歳の少女桃子。 彼女と親しくなり、結婚して寺を出て行きたいと言い出す若き修行僧。 和尚に反対されたまま3ヶ月がすぎ、桃子が親戚に引き取られていく朝、桃子は...
のう、お客人。あなたも困った方だ。よっぽど好奇心が強いとみえる…。 という和尚のセリフから始まる物語。 寺に預けられてきた7歳の少女桃子。 彼女と親しくなり、結婚して寺を出て行きたいと言い出す若き修行僧。 和尚に反対されたまま3ヶ月がすぎ、桃子が親戚に引き取られていく朝、桃子はタクシーに乗る寸前に白い鳥となり、飛び立っていく。 一方修行僧は頭に謎の青い花が生える。 半年後に白い鳥は寺に戻ってきてその花の上にとまる。 そして今も鳥は青い花の上にいる。咲き誇るその花と対照的に、やせ衰えうつろとなってしまった修行僧の頭の上に咲くその花の上に。 読者の好奇心を煽る書き出しは良かったが、 内容は、やりっぱなしという印象。
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久しぶりに読み返す。7歳の桃子と19歳の僧侶、天隆の恋の話。最後にお話がジャンプする。きれいに凄まじい。ときどき読みたくなります
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恋とは情念かもしれない。 とてつもなく怖いかも。 それでいて限りなく甘い。 抗えない、逃げられない、という感じ。
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もとの話を読んだのは、多感な小学校高学年の頃だった。同じ名前を持つ少女に嫉妬に似た感情を持ったのを覚えてる。早熟な感じの女の子が多くでてくる短編集の中だったかな。飯野和好さんの絵もすき。講演を聴く機会があって、そのとき鳥と蓮のお花のイラストを描いてくださってすごくうれしかった。
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江国作品で好きなのは、もっぱら詩や童話。物語は抽象的すぎて好きにはなれない(最近のは読んでいないからなんとも言えないけど)。「のう、お客人」という言葉で始まるこの物語は、悲恋の話。「草之丞の話」と共に、とても好きな作品。
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