黒い春 の商品レビュー
監察医の飯守家族の描写が過多で冗長になるところは気になったが、その他は文句の付けようのない傑作。黒手病の謎で遣隋使・小野妹子の件がでてくるところ、黒手病の感染過程、科学者たちの苦闘、それでも謎が深まるエンディング、どれをとっても最上級のミステリーで、時間を忘れて物語に没入できる。...
監察医の飯守家族の描写が過多で冗長になるところは気になったが、その他は文句の付けようのない傑作。黒手病の謎で遣隋使・小野妹子の件がでてくるところ、黒手病の感染過程、科学者たちの苦闘、それでも謎が深まるエンディング、どれをとっても最上級のミステリーで、時間を忘れて物語に没入できる。今まで読んだ山田氏著作の中では抜群に面白い一作。
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未知の感染症の話。感染経路もわからず、治療法もないこの病は本当に怖いと思う。コロナ禍の始まりの頃と似ている。人の歴史は感染症との闘いと読んだことがある。まさにそのことを思い出させる小説だった。
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感染症をあつかった小説を探していく中で、たどり着きました。医療系のパニック小説かとも思いましたが、サスペンス、いやむしろヒューマンドラマです。 ちょっと前まで元気だった人が、とつぜん黒い粉を吐き出して死に至るという謎の病気「黒手病」が発生。患者はどのようなルートで黒手病にかかったのか、そして黒手病はどのように治療したらよいのかを探るため、監察医や国立感染症センターのスタッフが集められる。だが、治療法どころか、どのように感染するのかもわからない。そして、実はその真菌は、かつての遣隋使によって日本にもたらされ、琵琶湖に封印されたものだった・・・というお話。 ネガティブなことばかりを並べるのはあまり好きではありませんが、いろいろと中途半端な感じが否めません。 ・あんまり怖くない。人がばたばたと、というわけでもないし、医者が防護服を着て治療にあたる、というわけでもない。(黒い粉をはきだす、というのは絵的にこわい。) ・女性の描き方、ちょっと男性のファンタジーが入っている感じ。 ・対策チームが、監察医とか、研究生とかで大丈夫なの?本気でやるなら、そんなメンバーで集まっちゃ駄目でしょ。 といったツッコミが頭に浮かんで、どうも話に集中できんのです。残念。
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この作家さんの小説は、どれも凄く専門的な取材や下調べによって、その分野の詳細な部分まで適確に描写されている事に感銘を受けます。 この作品も然りで、架空の真菌性肺炎が人類の脅威となって行く事がリアルに描かれています。架空の話である事を分かって読んでいるのに、勘違いしていまう程リアル...
この作家さんの小説は、どれも凄く専門的な取材や下調べによって、その分野の詳細な部分まで適確に描写されている事に感銘を受けます。 この作品も然りで、架空の真菌性肺炎が人類の脅威となって行く事がリアルに描かれています。架空の話である事を分かって読んでいるのに、勘違いしていまう程リアルです。 また、単なるパンデミックの恐怖を描いただけの話ではなく、上手く家族、友人、男女の愛情物語も練り込まれています。 偶然にも、今問題の新型コロナウイルスの脅威と重なる話しで、目に見えないウイルス、細菌、真菌の恐ろしさを再認識させられました。新型コロナウイルス騒ぎが治まり、忘れられそうになる頃に読んで貰いたい話です。 ※ネタバレ➡️期待していたハッピーエンドにはならず、最後は少し恐怖さえ感じさせられました。
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とても面白かった。 ハラハラと切なさと、たまに怒りと。 スピード感があり、思っていたよりもあっと言う間に読めました。 ラストにはきっと賛否があるのでしょうが、 これはこれでいいのかなぁとも。 面白いので是非続編があればそれはそれで読みたいです。 ドラマ化できそうだなぁと思ったら、 WOWOWですでにドラマ化していて、あぁぽいなぁと思いました(笑) 気になった点としては、ニオイタデをあの様にして子供に渡した彼女になんのおとがめ(社会的な制裁)もないというのはどうなのだろうと思いました。 内々で揉めたこととはいえ(雪子に非があった?様に見えても感情論の話で特に何をしたわけでもない) 結果的には彼女のせいで罹患した可能性は否めないわけで……。 殺人未遂になるのか、脅迫になるのか、罪状はともかく普通通報するなどの動きがあるはずなのに何もなく、 雪子自身が彼女を殴りつける程度で済んでいる、深く何も言わず(言えなかったのかもしれないけど)立ち去るというのは どうなのだろうと思いました。 そういう状況になったら誰のせいでとか、もうどうでもよくなってしまうのだろうか。 あれが精一杯の反抗というメッセージ性になるのか。 うーん、やっぱり裁かれるべきは裁かれるべきとしてどうにかなって欲しかった。 彼女もまた可哀想な人なのだろうけど。 また個人的に冒頭の雪子の性格が私にとっては理解し難く、 それに寄り添う飯守が哀れというか、夫婦とはそういうものなのかなと思うのですが、うーんヒステリーは、駄目です……。 リアルすぎて、最初から最後まで雪子のこの部分の過激さには感情移入できませんでした。 パンデミック物ではあるのですが、 それに関わるそれぞれの人間を描いているので、 いろんなドラマがあることを思わされる。 割と登場人物が簡単に犠牲になってしまうので、 ハピエン志向の私的に途中など辛かったです。 三和島さん幸せになってほしい……。
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あまりにも簡単に死んでしまう。 ちょっと怖いなぁ。いつどこに起こってもおかしくない。 悲しいまま、もっと怖くなる予感を残したまま終わってしまった。
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パンデミック系だというので期待して読む。 まあ面白かったが、パンデミック系と言うよりも、疫病を題材にした人間模様というところだった。NWOも預言も陰謀も関係なし。娯楽小説。
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とてつもなく、怖い作品だった。 黒手病、咳こんだと思ったら黒い粉を吐いて死んでしまう。いつどうやって感染したかもわからないうちに、死んで行く。
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嫌われ松子の一生を読んで、また山田さんの本を読んでみようと思い図書館で借りた。本当にこわい。かなりの長編でしたが、全部読んでしまったのには、引きつけられる何かがあったからだと思う。ある地方で長い間封印されていた「菌」が心ない人たちの単なる興味心から解き放たれ、死の伝染病が広まって...
嫌われ松子の一生を読んで、また山田さんの本を読んでみようと思い図書館で借りた。本当にこわい。かなりの長編でしたが、全部読んでしまったのには、引きつけられる何かがあったからだと思う。ある地方で長い間封印されていた「菌」が心ない人たちの単なる興味心から解き放たれ、死の伝染病が広まってしまう。それは胞子の持つ菌で、実際にこんな事があるかもしれないと思わせる物語がとても恐怖だった。読んだ後ずっしりと暗くなり、しばらくは立ち直れなかった。
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