スペンサーヴィル(上) の商品レビュー
世間一般では「デミルのハーレクインノベル」と評されている一種の恋愛物。退役軍人として故郷スペンサーヴィルに帰ったキースとかつての恋人アニーとの変わらぬ愛情とそれを陰湿な嫌がらせで阻む彼女の夫、狂気の悪徳警察署長バクスターとの戦い。 今回は物語としては非常にシンプルである。この単純...
世間一般では「デミルのハーレクインノベル」と評されている一種の恋愛物。退役軍人として故郷スペンサーヴィルに帰ったキースとかつての恋人アニーとの変わらぬ愛情とそれを陰湿な嫌がらせで阻む彼女の夫、狂気の悪徳警察署長バクスターとの戦い。 今回は物語としては非常にシンプルである。この単純な図式ゆえに上下巻各400ページも費やす事に冗長さを感じたのだ。 まずキースとアニーとの邂逅までが長い。優秀な国家安全保障会議の一員まで務めた退役軍人キースが、昔の恋人と逢うまでに他人の眼を気にしすぎてウジウジ独白を繰り返す日々が訥々と綴られるのが、情けなく感じた。 そしてあくまで悪人であるバクスターに対してストイックに負け犬根性的な対応をするのにも軍隊にいたときの凄腕ぶりとは対照的であるし、一度ワシントンに呼ばれるのも物語のエピソードとしては必要だったがあまりにも長く悪戯にページ数を稼いでいるようにしか思えなかった。 さらにアニーとの駆け落ちに関しても逃亡経路やホテルの泊まり方、自車の隠し方など軍人時代の経験を基に微に入り細を穿つような慎重ぶりを発揮するのにもかかわらず、呆気なくバクスターの取り付けた発信機で不意打ちを食らうなど、元栄え抜きの軍人ならそのくらい調べとけよッ!と思わず突っ込みを入れたくなった。キースという人物の設定に対してあまりにアンバランスなストーリー展開なのだ。 (下巻の感想に続く)
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冷戦の終結。それはキースにとりリストラによる解雇を意味していた。ヴェトナム戦争以来軍一筋、国のために命をかけてきたというのに。激務から解放されたキースがまっ先に考えたこと、それは「故郷に帰ってアニーに会いたい」だった。しかし彼女はすでに地元の悪徳警察署長の妻となっていた!傷心のキ...
冷戦の終結。それはキースにとりリストラによる解雇を意味していた。ヴェトナム戦争以来軍一筋、国のために命をかけてきたというのに。激務から解放されたキースがまっ先に考えたこと、それは「故郷に帰ってアニーに会いたい」だった。しかし彼女はすでに地元の悪徳警察署長の妻となっていた!傷心のキースのもとにある日…。 とんでもない展開だった記憶がある。
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