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総理の座 の商品レビュー

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2015/09/24

期待と責任の重さで胸が破裂しそうになりながら 総理官邸に入った政治家たちが、如何に哀れをと どめたことか。内閣総理大臣の地位はいまや鴻毛 より軽い。宮沢喜一から小渕恵三まで、歴代政権 の内実を描きつつ、あるべき宰相像を考察する。 ある総理大臣は 「後入斎」というあ...

期待と責任の重さで胸が破裂しそうになりながら 総理官邸に入った政治家たちが、如何に哀れをと どめたことか。内閣総理大臣の地位はいまや鴻毛 より軽い。宮沢喜一から小渕恵三まで、歴代政権 の内実を描きつつ、あるべき宰相像を考察する。 ある総理大臣は 「後入斎」というあだ名をつけられていたという。 一番最後に進言した人の意見をよく聞くことから つけられたあだ名である。つまり、確固とした信 念は持ち合わせていないのである。明らかに矛盾 することであってもどちらにも「そうだね」と相 づちを打つようなところがある。だから、何を考 えているのかよくわからない、と説明に行った人 は一様に首をかしげる。 このくだりを読んだときに鳩山元首相を連想したが 実は日本新党の細川首相のエピソードである。 (そして後入斎は近衛文麿のあだ名である) 本書を読むと日本の政治がまったく進歩していな い事がわかる。当時から小沢一郎は壊し屋であり キーマンであったことがわかる。著者は、人材払 底社会と評しているが、十年たった現在を何と評 したらよいのであろうか。 いまだ、歴史とは言えないが、失われた十年を振 り返る書として、本書は大変参考になるといえる。

Posted byブクログ