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東アジア文化圏の形成 の商品レビュー

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2011/06/20
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※このレビューにはネタバレを含みます

 今は多少聞き慣れた"東アジア世界"という概念がどのような経緯で作られ、どのように使われたか、という問題意識を解き明かした本。著者は私のお世話になっている大学の恩師。  "東アジア世界"は中国の他に日本、朝鮮半島、ヴェトナムといった地域を指し、漢字を媒介に儒教、律令、漢訳仏教といった制度や文化を受容し、共有した世界として定義される。そういう意味で、戦時中の日本が提唱した”大東亜共栄圏”とは意を異にする。  "東アジア世界"という概念を問題としたのは、"冊封体制"という用語を提唱した西嶋定生や、一高校世界史の教科書検定に不合格となった『日本国民の世界史』の著者である上原専禄といった1950~60年代の歴史学者。  では、なぜ彼らはこうした問題意識を持つようになったのか。それは当時の現実認識、つまり当時の日本が直面していた危機と密接に関係する。それは日本国民が戦前の独善的な史観(一国史観)を克服し、自分自身で世界史像を形成することが要請されたためだった。  その必要性から、日本一国という枠を超え、その政治、経済、文化の動きの流れを周辺地域まで敷衍させて考えるための"東アジア世界"という概念が提唱されるようになった。  先生の「現実と向き合い、未来に向かって意欲することなしに過去の解釈、歴史像の構想などありえない」という言葉は肝に銘じておきたい。

Posted byブクログ

2009/10/04

主に日中韓を指して東アジアと言っていたよーな気がします。 西洋の衝撃にたいし、防御するでもなくその現実を自分達独自の「冊封」観に取り込んでしまうあたりスゲーなーと思いました。 教科書って感じじゃないのでおもろかったです

Posted byブクログ