リス の商品レビュー
野心的な実験小説といいましょうか、20世紀後半の文学らしい長編。一文の中で語りの主体が変化したり、時制が入り乱れたりする。死者が町を徘徊し、人間に姿を変えた獣が陰謀をたくらんだりと、マジックリアリズムの系譜が感じられるが、本家南米と比較すれば魔術は冷温気味。時に心を撃つ一文に出会...
野心的な実験小説といいましょうか、20世紀後半の文学らしい長編。一文の中で語りの主体が変化したり、時制が入り乱れたりする。死者が町を徘徊し、人間に姿を変えた獣が陰謀をたくらんだりと、マジックリアリズムの系譜が感じられるが、本家南米と比較すれば魔術は冷温気味。時に心を撃つ一文に出会うも、正直な印象としては難解であり、楽しむ一歩手前で息切れ。
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