円仁求法の旅 の商品レビュー
三蔵法師の「大唐西域記」、マルコポーロの「東方見聞録」とともに世界三大旅行記のひとつといわれる円仁の「入唐求法巡礼行記」の円仁の足跡を辿って中国国内を旅した記録である。 この円仁を世に知らしめたのは故駐日大使のライシャワー氏だそうであろ。氏はこれを原文で読み英訳したのだとか...
三蔵法師の「大唐西域記」、マルコポーロの「東方見聞録」とともに世界三大旅行記のひとつといわれる円仁の「入唐求法巡礼行記」の円仁の足跡を辿って中国国内を旅した記録である。 この円仁を世に知らしめたのは故駐日大使のライシャワー氏だそうであろ。氏はこれを原文で読み英訳したのだとか。日本語訳は講談社学術文庫から出ているのでぜひとも読んでみたい。 筆者は円仁ゆかりの地を次々と訪ねて歩くわけであるが、やはり読む前に円仁の足取りや当時の情勢なども頭に入れておくと、筆者が現地で苦労する様子を一段と身近に感じられて楽しめると思う。 仏教の素地もあればなおさら良い。筆者はある程度そういう人たちを対象に書き進めているようだ。やはり自分もライシャワー氏の著作を読んでからにすれば良かったかもしれない。 私が中国を訪問したのが1984年、あの天安門事件が1989年、そして筆者らの旅が1990年。もう四半世紀が経ち隔世の感がある。急速に経済発展をしている現在の中国とはだいぶ違った感覚が伝わってくる。
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