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草よ風よ の商品レビュー

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2018/04/28

 日野草城の弟子であったという女流俳人の1985~1999年に及ぶ四季の句と詩文。やはり俳句は季語が含まれているだけに、四季折々の景色の美しさが素晴らしい日本語で歌いこまれている。箕面に住んでいたということだけあって、阪神間の情景の描写が私にとっては嬉しい。それにしても1914年...

 日野草城の弟子であったという女流俳人の1985~1999年に及ぶ四季の句と詩文。やはり俳句は季語が含まれているだけに、四季折々の景色の美しさが素晴らしい日本語で歌いこまれている。箕面に住んでいたということだけあって、阪神間の情景の描写が私にとっては嬉しい。それにしても1914年生まれの著者の若々しさには驚き。洋画はディートリッヒ、ガルポ、ヘプバーンなどの話題がたびたび登場する。それ以上によほど日本酒が好きらしく、文中ではまずお酒の話題に。越乃寒梅がたびたび登場するが、今ではこのお酒も随分陳腐になってしまったように感じる。この他、著者の推奨は「高清水」(秋田)「酔虎」。 出版パーティーでたこ焼きを食べた直後の祝辞挨拶に際して、一瞬のうちに次の句を詠むというのには感心! 「たこ焼に舌焦がしけり春の宵」 しかし、たこ焼きは実は冬の季語とのこと。この他「氷雨」と「甘酒」は夏の季語、ぶらんこは春の季語!「弱冠」は女性には使わない。「享年65歳」とは言わない。歳は不要など、勉強になった。私のとって郷土を感じさせる句を集めてみた。  彼岸会 「笹鳴きや西国街道靄ごめに」  古陶  「梅雨ふかし丹波古陶を玻璃うちに」  五月  「五月果つ人影淡きトア・ロード」      「永き日を南京町の極彩に」  六甲山上「あぢさゐにあぢさゐ色の暮色くる」  城崎  「汽笛添ふ円山川の秋の暮」

Posted byブクログ