永井荷風の昭和 の商品レビュー
断腸亭日乗は タンパクな部分が多いが、本書は それを補足しようという試みがあり、断腸亭日乗を読む手助けをしてくれる 張作霖爆殺→満州事変→二二六事件→日中戦争→三国同盟→仏印進駐→太平洋戦争のキーポイントにおける永井荷風の考えを中心に見る
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昭和史を書くことで有名な著者が永井荷風にスポットをあてつつ昭和の時代を描いています。永井荷風論でもあり、昭和史でもあります。吉野俊彦氏が最後に永井荷風と半藤の共通点をいくつか解説に掲げていますが、反軍国主義、薩長への反発、隅田川そして向島などの墨東への思い入れ、そして無類の女性好きだそうです。この著書は荷風の日記などを下に歴史探偵という形で昭和史を探求していく、とても楽しく読めました。私も隅田川周辺の風情は昭和初年を思い出させ、大好きな地域です。
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戦争へと急傾斜してゆく昭和前期、20年間の日本―荷風の視線はひくく市井を這い、時に上空を見上げ、驚くべき適確さで世界の不穏な風を読む。『断腸亭日乗』を主要テキストに、時代風景のなかに文豪の日常を描写し、世俗の事件と歴史の命運とをあわせ読む。
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