診断名サイコパス の商品レビュー
精神病質チェックリストの発明者である著者が世に送る、サイコパスについての一冊。 「サイコ」や「羊たちの沈黙」等の小説や映画に並んで、ノンフィクションとして異常犯罪ブームに火をつけた本と言えます。 似た内容の本は多いですが、大衆向けに書かれた第一人者によるものとして評価されています...
精神病質チェックリストの発明者である著者が世に送る、サイコパスについての一冊。 「サイコ」や「羊たちの沈黙」等の小説や映画に並んで、ノンフィクションとして異常犯罪ブームに火をつけた本と言えます。 似た内容の本は多いですが、大衆向けに書かれた第一人者によるものとして評価されています。 著者のチェックリストは現場に指針を与え、今後の研究に息づいていくでしょう。
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"ある確率で生まれてくるサイコパス、精神病質。 その実態を追いかけたノンフィクション。 原題は、Without Conscience 感情が著しく欠如しているため犯罪を犯し、刑務所に収監されている人が多い。 生まれつき、遺伝なのか?育った環境により生み出されるのか本書で...
"ある確率で生まれてくるサイコパス、精神病質。 その実態を追いかけたノンフィクション。 原題は、Without Conscience 感情が著しく欠如しているため犯罪を犯し、刑務所に収監されている人が多い。 生まれつき、遺伝なのか?育った環境により生み出されるのか本書では深く言及はしていない。 裕福な環境で育つ子供の中でも、凶悪な殺人を犯すものもいるので、遺伝ではないかと私は考えてしまう。 サイコパスは治療が可能なのか?という問いでは、現在のセラピーでは意味のない、治療は困難と読み取れる。 民族や人種により、サイコパスが生まれてくる確率に差があるのだろうか? 様々な疑問も抱えつつ読了。"
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中野 信子『サイコパス (文春新書)』を読んで、 この本の凄みがよくわかった。 先にこっち読んでおいてよかった。
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原書が出版されたのは1993年。内容が古くなっていることは否めない。中野信子「サイコパス」に続けて読んだので、余計に古さを感じた。要するにサイコパスに関してまだよく分かっていなかった時代の本なのだ。だから、途中経過報告を読んでいるような気分になってくる。 内容はサイコパスという...
原書が出版されたのは1993年。内容が古くなっていることは否めない。中野信子「サイコパス」に続けて読んだので、余計に古さを感じた。要するにサイコパスに関してまだよく分かっていなかった時代の本なのだ。だから、途中経過報告を読んでいるような気分になってくる。 内容はサイコパスというよりシリアル・キラーの紹介で、あまり詳しく書かれているわけではないが、ジェフリー・ダーマーやエド・ゲインなど有名なシリアル・キラーについて知りたい人には有用かもしれない。それ以外の人がこの本を読む必要はない。
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サイコパスについての本。アメリカの重大犯罪を犯した凶悪犯等について書かれていて、私たちの周囲にいる身近なサイコパスを知るには「良心を持たない人たち」の方が読みやすかったかな…
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「サイコパス」 海外ドラマの中だけの問題ではない。 なぜ、凶悪な犯罪を犯すのか。 それらの人々を研究している著者からの問題提起。 「サイコパス」には傾向があるのが分かっている。 その研究結果をいかし、犯罪を未然に防げるようになるといいですね・・・・・
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シリアルキラーとかではなく、日常に潜む「なんかヘンだ」と思われるサイコパスの存在が怖い。 怖いというよりは、そのことによって辛い思いをしたり、自分を責めたりする「被害者」が出てしまうことが大きな問題だ。 サイコパスについては、もっと広く認知されるべきだし、治療のための研究がなされ...
シリアルキラーとかではなく、日常に潜む「なんかヘンだ」と思われるサイコパスの存在が怖い。 怖いというよりは、そのことによって辛い思いをしたり、自分を責めたりする「被害者」が出てしまうことが大きな問題だ。 サイコパスについては、もっと広く認知されるべきだし、治療のための研究がなされるべきだと思う。
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原題は「WITHOUT CONSCIENCE」(良心の呵責を覚えず)。 解説を読むと完訳ではなく、原文の冗漫な部分なんかを省いたものであるらしい。それでもやや冗漫な感じに読めたのは、自分がまだまだ外文に慣れていないからだと……。 学術書の入り口的な本という印象で、きちんと文章に目を通せば難しくないと思う。噛み砕いて書いてくれたんだろうと思う。原版1993年出版のものなので、2014年の今とはだいぶデータが違うかもしれない。20年前(以前)の研究状態を知るうえでは有効かと。 そもそもサイコパスという用語が使用され始めたのはいつからなのか、その用語がどう確立して研究史はどんな変遷を経ているのかを知りたくて読んだ本だったけど、ちょっとまだよくわからない。サイコパスと言うのは何なのか、何故存在するのかという疑問は「百年以上にわたって臨床的考察や経験的な研究の焦点になってきた」けど、「サイコパスのおそろしい謎が明らかになりはじめたのは、やっとここ数十年のこと」らしい。ただ、「サイコパスに関する科学的文献は専門的で、抽象的で、行動科学の素養がないと理解がむずかしい」ということなので、そういったものを翻訳してくれたこういう本があることはありがたいです。この話題に興味がある人は読んでみると良いと思います。
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00年の作。"FBI心理捜査官"と並び犯罪心理学もののノンフィクションとして定評のある一冊。 心理捜査官は異常心理の事例集といった趣きですが、こちらはより理論的というか心理上のエラー、その背景にも迫っております。 ○彼らの驚くべき特徴は、もののみごとに良...
00年の作。"FBI心理捜査官"と並び犯罪心理学もののノンフィクションとして定評のある一冊。 心理捜査官は異常心理の事例集といった趣きですが、こちらはより理論的というか心理上のエラー、その背景にも迫っております。 ○彼らの驚くべき特徴は、もののみごとに良心が欠けているということだ。彼らが行うゲームは自己満足的で、他人の犠牲の上に成り立っている。その多くは刑務所内にいるが、社会に出ている者もまた多い。彼らは例外なく、与えるよりもはるかに多くを奪っていく。 ○サイコパスは、自分の行動が他人にたいへんな迷惑をかけているという認識を驚くほど欠いている。自分には罪悪感などなく、苦痛や破壊を引き起こしたことをすまないという気持ちを持てず、そういう気持ちをもつ理由もなにひとつないと冷静にいう。 ○ただたんに弱い生き物などというものは、サイコパスの世界には存在しない。弱い生き物は、同時にカモでもある。すなわち、搾取されることを要求している生き物なのだ。
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人格障害はまず非常に幼いころに顕著になってくることがわかっている。社会の規制に拘束されず自らのルールに従って成長する。気難しく、自己中心的、攻撃的で嘘が巧み。感化されず社会の寛容さの限界を試す逸脱行動を繰り返す。精神病質的態度や行動は生物学的要因と環境要因がまじりあった結果として見るのが最も正しい。 ・成人のサイコパスの脳はと正常な思春期にある青少年の脳はに類似性がある。自己中心的で騒動的、わがまま、素早く満足を手に入れたいという気持ちと、サイコパスの特徴は子供特有のそのような特徴と類似性がある。この点は精神病質者が発達の遅延と何ら変わりないということになる。狂気ではなく、9~10歳の子供が隠れている。 ・ある興味深い生物学的議論によると精神病質という障害が幼いころい脳、特に前頭葉に受けた損傷ないし機能障害に由来するのではないかというものだ。前頭葉は高レベルな精神活動に大きな役割を果たす器官であり、この議論はサイコパスの行動と前頭葉に損傷を受けた患者の行動に類似性があることに基づいている。この類似には、「長期計画が苦手」「欲求不満を我慢することが苦手」「浅い情動」「苛立ちと攻撃性」「社会的に容認されない行動」「衝動性」が含まれる。けれども最近の研究でサイコパスの前頭葉には損傷が認められないことが分かっている。しかし前頭葉が行動の規制を決定的につかさどっていることは間違いのない事実であるから、何らかの理由で前頭葉にある種の機能障害や配線違いがあって、前頭葉がサイコパスの行動を規制できないのではないかという説がある。 ・共感や恐怖を吹くん感情を経験できない精神病質的特質は、ある部分自然のいたずらによって、胎児や幼児の時受ける道の生物学的影響によってもたらされ、その結果自制心や良心を培う能力や他人との情緒的つながりを育てていく能力が大幅に減退することによって発達すると考えられる。 ・彼らが生まれ持った資質、つまり環境や社会や学習次第でユニークな人間になるかもしれない生のままの素材は、はじめから社会化や良心の形成には不向きなように作られているのだ。簡単な比喩を使うと、陶芸家は年度から陶器を作るが、その陶器の善し悪しは年度の質(自然)によって違ってくる。 ・家庭生活が安定していようとしていなかろうと、サイコパスが初めて犯罪を犯すのはほぼ14歳ごろ。 ・サイコパスの特性を黙認したり支援したり隠ぺいしたり、その価値を認めたりすればそれはサイコパスをかくまう「カムフラージュ社会」という小さな宇宙になってしまい、そこで本物のサイコパスの特性を画すことができ、自分さえ満足できればいいという破壊的な価値観を追いかけ一般の人が危険にさらされることになる。私たち社会が精神病質的人格に見せられるだけでなく、ますますそれを許容するようになっていくかもしれないことを暗示している。サイコパスが、機能しない家族や正直さや公正さとか他人の幸福などにはほとんど価値を置かない、崩壊するコミュニティで育った子供たちの歪んだ役割モデルになる可能性がある。 犯罪者の大半は軌道から外れているから再び社会に適応させればいいという従来の矯正プログラムの前提をサイコパスに当てはめるのは間違いである。社会という観点から見た場合、確かにサイコパスは一度も軌道に乗ったことがなく自分の曲だけに合わせて踊っている人間にすぎない。サイコパスは共感能力や良心を育てようという努力にあまり関心がない。
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