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嘘をついた男 の商品レビュー

3.8

6件のお客様レビュー

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2015/12/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あるちょっとした機会でこの作家のことを知り、いちばんオススメの本作を読んでみる。フィクションかと思って読み進めていると、ん?そうではないらしい。確かめるためにちょっとページを遡って読み直す。こういう構成嫌いじゃない。むしろ、この時点で既に物語に引き込まれている。映画で大好きなフィリップ・K・ディックが同じ箇所で登場し、この作家とは感覚が合いそうだとワクワクした。 この予感は的中で、2つの世界を据えて展開していく物語に引き込まれ1日で読了した。 人物描写も好みだ。ラディケもそうだけど、体感覚で人物の性格をカテゴライズし、メタファーとして使う技に長けている。特にフロランスの描写とロランの両親の描写が印象的。レポートのようだと言う人もいるけれど、私はエマニュエル・カレールの硬質で男前な文体のファンになった。訳者も巧い。 そして最大の魅力は、サイコパスであるロランの心の闇がそうさせるのか、はたまた悪魔に取り憑かれているのかとオカルトちっくな想像を掻き立てるところ。ただのエンターテインメントではなく、現実の裏にある真実を見ようと試みるところに骨太さを感じる。

Posted byブクログ

2015/10/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

先日読んだ『自分のついた嘘を真実だと思い込んでしまう人』で取り上げられていたので読んでみた。 フランスで起こった「ロマン事件」に関する本です。 一体どうして、医学部を卒業したふり、WHOに勤めているふりができたのか、全く関わりを持たない私には想像もしようがない。 そもそも、人の言うことを(よほど相手を嘘つきだと知っていないかぎりは)最初から疑ってみることは稀だろう。 何度か出てくる、それぞれが変だな、と思うこと。 果たしてそのようなとき、悪感情を抱いていない夫に対して、恋人に対して、親友に対して、疑いを(その違和感を)確認することができるかどうか。 こういった事件を知った以上は「そういう人」もいるということを覚えておきたい。 また、事件発覚後、彼を支えた人たち(彼の新たな嘘を疑うことのない人、彼の事件は必然だったというような見方をする人)が出てくるが、前掲書における「イネイブラー」とはまさにこの人達を指すのだな、と納得した。 彼は無期懲役となったが、最低収監期間22年の条項つきだという。それは今年、2015年までだ。

Posted byブクログ

2015/04/30

これは小説と言っていいのか? 真面目系クズのジャン=クロード・ロマンが嘘だらけの人生の末に引き起こした惨殺事件についてのレポートのような本。 アニメ「長門有希ちゃんの消失」第1話でこれ見よがしに映り込んでいたので興味を持って読んだ。 嘘つきは長門か、あるいはキョンか。あの平和な...

これは小説と言っていいのか? 真面目系クズのジャン=クロード・ロマンが嘘だらけの人生の末に引き起こした惨殺事件についてのレポートのような本。 アニメ「長門有希ちゃんの消失」第1話でこれ見よがしに映り込んでいたので興味を持って読んだ。 嘘つきは長門か、あるいはキョンか。あの平和な世界の先にも、こんな悲劇が待ち受けるのか……。

Posted byブクログ

2013/10/13

もはや人間ではない。暗く深い「空洞」がそこに在るだけだった。 最も恐ろしいものも人間で、その凄まじい恐怖を感じさせられた。

Posted byブクログ

2009/10/04

ロマンという、18年間身内と親戚をだまし続けた男の実話に基づいた小説。 こんなことが実際にあるのかという驚き。 ちょっとしたきっかけによって人生が狂い始めることって よく小説に描かれてるけど 実際の人生にもありうるんだなぁ。 恐いな。 最後に家族を殺してさえしまわなければ なんと...

ロマンという、18年間身内と親戚をだまし続けた男の実話に基づいた小説。 こんなことが実際にあるのかという驚き。 ちょっとしたきっかけによって人生が狂い始めることって よく小説に描かれてるけど 実際の人生にもありうるんだなぁ。 恐いな。 最後に家族を殺してさえしまわなければ なんとか救われたのに・・・ 自分だけ生き残ってしまうなんて悲劇中の悲劇。

Posted byブクログ

2009/10/04

フランスで実際に起こった、家族惨殺事件をもとにしたお話です。映画化もされましたが、そっちの方はあんまりです。

Posted byブクログ