少女M の商品レビュー
私小説か風俗小説か、両方なのかもしれない。正直読みづらい部分が多いが、これはブンガクとしての表現なのか。少女とマダムの往還とその時々の生活心情、戦時中、それ以降の著者の心情と性に対する思いは永遠にいったり来たりしている。たまにブンガクに触れるのはよいかもと思った。
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2000年初版。天野喜孝の装丁は何とも言えないものがあるけれど。。。血と肉と土を失った現代素人娘の性は体験したところで癡夢にもならない。「健在」の二文字のため、空虚と格闘する老作家の姿に胸が痛くなります。
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こってりしたものが読みたい!と思ってましたんですけども、そういう感じではなく、世間胸算用。おとぎ話でもなく、エッセイでもなく、風土や文化がみっちり書かれているのに、書かれすぎずに人の内面についても触れてあり、危ういことも並べられていて。阿部定のことだって、ふんわりもざくっとも取り...
こってりしたものが読みたい!と思ってましたんですけども、そういう感じではなく、世間胸算用。おとぎ話でもなく、エッセイでもなく、風土や文化がみっちり書かれているのに、書かれすぎずに人の内面についても触れてあり、危ういことも並べられていて。阿部定のことだって、ふんわりもざくっとも取り扱われていなくてただ阿部定がそこにいるだけ。普通の人のようにさえ思える。やすい連れ込みの壁のシミや、女の子のちょっと黒ずんだ短い靴下、家にしまってある綿のパンツの洗い立てさえ想像できそうなのに、それはただ並べられているだけ。面白いことも悲しいことも、エッチなことも、並べてあるだけ。
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