伝書鳩 の商品レビュー
私がまだ小学生の頃は近所にも 鳩を飼ってレースに出してるんだろうなぁと いったおじさんが数人いたものだが 最近はほとんど見かけなくなった。 おそらく鳥インフルエンザの流行などが 関係するのだろう。 昔は鳩が多くいたことは記憶にあるが、 新聞社等で記事や写真の伝達に使われていたこ...
私がまだ小学生の頃は近所にも 鳩を飼ってレースに出してるんだろうなぁと いったおじさんが数人いたものだが 最近はほとんど見かけなくなった。 おそらく鳥インフルエンザの流行などが 関係するのだろう。 昔は鳩が多くいたことは記憶にあるが、 新聞社等で記事や写真の伝達に使われていたこと 軍事鳩が世界で利用されて数十万の鳩が戦死したこと 江戸時代には米相場の伝達に利用しようとした 商人がいて、禁止令が出たこともあった (飛脚の利用が減ることを危惧した)ことなど 初耳の情報がたくさんあった。 何しろ、鳩の帰巣本能がすごい。 完全に帰巣本能の原理が解明されたわけでは ないようだが、これがだめならこれ!と 二の矢、三の矢がどんどん出てくる。 鳩恐るべし。
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鳩に特化した本なので、読後、随分鳩に詳しくなれた気がする。鳩を軸に歴史を眺めてみる。帰巣本能に優れた鳩は、その能力から人間の通信の役割を担う事になった。戦時中の伝達手段だけではなく、新聞社に使われた伝書鳩、実用的な所では、牛の精子の輸送や麻薬取引にまで。そしてドキッとするのが、戦...
鳩に特化した本なので、読後、随分鳩に詳しくなれた気がする。鳩を軸に歴史を眺めてみる。帰巣本能に優れた鳩は、その能力から人間の通信の役割を担う事になった。戦時中の伝達手段だけではなく、新聞社に使われた伝書鳩、実用的な所では、牛の精子の輸送や麻薬取引にまで。そしてドキッとするのが、戦後GHQの目を掻い潜るべく天皇陛下を守る近衛師団が秘密裡に存在し、電波傍受されぬよう伝書鳩を用いたという証言。これは何やら穏やかでは無い、興味深い話とページを捲る。 ただ、これは結局、禁衛府という実在した組織であり、多くは語り継がれず、今や知る人も少ないが、近衛師団という程、秘密軍隊の性質は無く、天皇の警備隊という雰囲気である。少し残念だが、その後の歴史を見ても幻の軍隊は、戦闘機能を発展させぬまま消えていく。 悲しいかな伝書鳩の歴史は幕を閉じ、今や、手品師が使うチンドン屋用の出来損ないの鳩か、役割の無い公園にいる土鳩しか見ない。しかし、人間と共に戦時に活躍した鳩たちがいた事を思うと、そんな彼らを見る目も変わるかも知れない。
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鳩で通信を送っていたなんて、今の若い人は想像もできないだろうなぁ。黒岩さんがこの本をまとめた頃は、実際に伝書鳩に携わった方達にお話を聞けたギリギリのタイミングだったのではないでしょうか。
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【目次】 1. 忘れられた鳩通信 2. 鳩通信の発祥 3. 軍用鳩の活躍ー第一次世界大戦まで 4. 軍用鳩の活躍ー第二次世界大戦から現代まで 5. 新聞社・通信社の鳩便 6. 様々な鳩通信 7. 通信から鳩レースへ 8. 鳩の特殊な能力 【概要】 鳩通信について、軍事技術として...
【目次】 1. 忘れられた鳩通信 2. 鳩通信の発祥 3. 軍用鳩の活躍ー第一次世界大戦まで 4. 軍用鳩の活躍ー第二次世界大戦から現代まで 5. 新聞社・通信社の鳩便 6. 様々な鳩通信 7. 通信から鳩レースへ 8. 鳩の特殊な能力 【概要】 鳩通信について、軍事技術として生まれ、民間技術、そして娯楽へと移り変わる歴史を、丹念な取材でたどりつつ述べた本。 【感想】 伝書鳩など無線技術が生まれるまでのローテクとばかり思っていた僕には、目新しいエピソードがたくさん。 第二次世界大戦でも活躍したどころか、新聞のスクープ合戦の一翼を担っていたり、牛の人工授精用精液の運搬に一役買っていたり、なんと1990年代までスイスに伝書鳩部隊がいたなんて! どれもこれもとても面白い内容だった。 一方で、動物愛護の観点や、野生化したドバトによる鳩害などについては少し触れるだけで、あまり説明されていない。 動物の異能の活用や、動物愛護の実態について、少し調べてみよう。
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サブタイトルの「もうひとつのIT」というのが引っかかって読み始めてみましたが、もちろん昨今のコンピュータ的なITではなく、生物「鳩」が主役のインフォメーション(ロー)テクノロジー。 伝書鳩といえば、せいぜい新沼謙治ぐらいしか思いつかなかった私ですが、これを読むと相当歴史深く奥も...
サブタイトルの「もうひとつのIT」というのが引っかかって読み始めてみましたが、もちろん昨今のコンピュータ的なITではなく、生物「鳩」が主役のインフォメーション(ロー)テクノロジー。 伝書鳩といえば、せいぜい新沼謙治ぐらいしか思いつかなかった私ですが、これを読むと相当歴史深く奥も深い。インターネットのハシリは軍事目的。伝書鳩の発展に関しても然りで、インフォメーションテクノロジーと名の付くものはやはり戦争が重要なファクターとなってんだなぁと思った。鳩といえば「平和の象徴」なんですけどね。 しっかりと調査され事細かく伝書鳩に関して書かれている分、昔の話題が多いので時代背景やら人物の多さやら難しい単語やら何やらかんやら・・・少々私には難しかった。若干そんなところはサラサラーっと読み流しつつ。 冒頭で「ローテク」とは言ったものの、生物であるが故にいろいろな研究・実験・訓練が成されてきた様子。ある意味生物学はまだまだ未知の世界。その意味ではハイテクノロジーなのかもしれない。 結局読了後の感想。「鳩・・・すごいな。」この一言に尽きる。
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切り口がおもしろい。 好きなものだけを、おいかけている。黒岩さんらしい。そして、おそろしく、ひつこい。こんなすげぇ物書きになると、正直思わなかった。 惜しいひとを亡くした、とこころから思う。
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鳩を使役しなくても済む社会が平和で一番いいのだけれど、不慮の事態に備えて伝書鳩の伝統は絶やさないほうがいいんじゃないかと、思ったりもします。新聞社は鳩を飼う社員に報奨金を出したらどうかな、どうかな??
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いっやー面白かった!内容はもちろん知らないことばかりで新鮮だし、エピソードは豊富だし、文が実に読みやすい。 日比谷公園にたむろしている土鳩たちは、実はかつて新聞社で活躍していた伝書鳩の末裔ではないか、と疑問を抱いた著者が、丹念な取材で伝書鳩を解き明かす。 戦時中やら関東大震災やら...
いっやー面白かった!内容はもちろん知らないことばかりで新鮮だし、エピソードは豊富だし、文が実に読みやすい。 日比谷公園にたむろしている土鳩たちは、実はかつて新聞社で活躍していた伝書鳩の末裔ではないか、と疑問を抱いた著者が、丹念な取材で伝書鳩を解き明かす。 戦時中やら関東大震災やら新聞記者のフィルム運びやら、思いもかけずいろんなところで役に立っていたんだな、鳩。 人間の役に立つ動物(家畜としてでなく)には馬と犬と鳩がいるが、このうちの鳩だけは飼い主への忠義ゆえに働くのではない。鳩が数千キロも飛んで家に帰るのは、ただご飯が欲しいから、愛する家族のそばにいたいからだ、というあたりでなんとも言えず切なくなった。 あと最後のところでそうくるとは思わんかった。
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