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機長の告白 の商品レビュー

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2009/10/04

 B747の機長である著者による、過去に起こった様々な事故の分析と、それらの事故の再発を防止するための提言。  これらの提言には、幾分技術的な話も含まれており、「いったん離陸操作に入ったら、決して離陸を中止してはならない。」(p.112)とか言われたり、「安全な横風着陸のテクニッ...

 B747の機長である著者による、過去に起こった様々な事故の分析と、それらの事故の再発を防止するための提言。  これらの提言には、幾分技術的な話も含まれており、「いったん離陸操作に入ったら、決して離陸を中止してはならない。」(p.112)とか言われたり、「安全な横風着陸のテクニック」とかを説明されても、パイロットでもない読者にとっては、「はあ、そうなんですか…」という感じで、強くうなづいたり納得したりできない話がある。ラダーもエルロンも何のことでどういう働きをするのかあんまりよく分かっていないと話が飲み込めない。それでも、「『V1』は『離陸決定速度』ではない」とか、「エンジンはすぐに離脱するようにできている」だとかいう話は、素人でも興味深く読めた。もちろん技術的な話以外にも、パイロットの心理的な面やヒューマン・ファクター関係の話、また、航空行政の話(規制緩和により航空法の第1条の条文が変わったとか(pp.304-5))などは興味深い。  この本が書かれたのが2000年7月、その後2001年1月には、管制官とTCASの指示の違いなどの要因が絡んで起きた日航機のニアミス、その後同様の事例で空中衝突してしまった2002年7月のゆーべリンゲンでの事故、さらにその間に9.11もあって、この本で書かれた様々な注意喚起にもかかわらず、事故や事件が起こってしまっている。著者がこれらの事例をどう分析するか、もっと新しい別の本を読んでみたいと思った。(2008/08/05)

Posted byブクログ