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書く前に読もう超明解文学史 の商品レビュー

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講義録第三弾。大戦後から現在までの日本文学を中心に、小説を書くヒントとして文学史を解説。21世紀の文学の方向性を探る。前の2冊のような駄洒落はなく、まじめな内容。

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小説を書くときに必要なテーマを見つけるには。小説家を目指したい人にも。シリーズ完結篇。

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2023/10/02

著者は母校の早稲田大学で「小説創作」の講師を務めており、そこでの講義を本にまとめたのがワセダ大学小説教室シリーズ。本書はその三冊目にあたる。純文学を書きたい若者のために近代日本文学の変遷を学ぶことで、創作に活かしてほしいというものである。著者は「文学史を学べばアイディアは無限」と...

著者は母校の早稲田大学で「小説創作」の講師を務めており、そこでの講義を本にまとめたのがワセダ大学小説教室シリーズ。本書はその三冊目にあたる。純文学を書きたい若者のために近代日本文学の変遷を学ぶことで、創作に活かしてほしいというものである。著者は「文学史を学べばアイディアは無限」と語る。もちろんそんな野心のない人にも読み物としてじゅうぶんに面白い。「ものすごーくわかりやすく説明します」と述べるように、硬くないので文学史のおさらいとしても、楽しく読めるだろう。 あくまで団塊世代の著者の目を通した文学史なので、日本文学の東西の横綱に大江健三郎と中上健次を選ぶなど違和感もあるかも知れないが、この世代の「文学」への熱き想いは感じられる。昔は純文学はインテリの中心的話題のひとつだった。いまはなかなか売れないそうである。明治から20世紀までの時代を創った作家の粗方を網羅しているのでブックガイドとしても使えるし、著者の評論もユーモアに富んでいて面白い。大変に好意的に取り上げられてる作家あり、ちょっと意地悪に書かれてる作家ありで、心の中でツッコミを入れつつ読んだ一冊だ。巻末には著者によるインタビューも掲載。

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2016/10/23

小説を書くということを前提に置いた文学史。神話構造と日本の私小説との関係を指摘しており、非常に面白かった。

Posted byブクログ

2011/12/29

読書好きな人全般にオススメできる本。文学史を様々な国の背景を絡めてテンポのよい説明を展開しているので非情に分かりやすく、読み進めるうちに読むべき、または読みたい小説がどんどん蓄積されていく。作家のために書かれているが、これを読むだけで文学史っておもしろいんだと思うことができ、それ...

読書好きな人全般にオススメできる本。文学史を様々な国の背景を絡めてテンポのよい説明を展開しているので非情に分かりやすく、読み進めるうちに読むべき、または読みたい小説がどんどん蓄積されていく。作家のために書かれているが、これを読むだけで文学史っておもしろいんだと思うことができ、それだけでも収穫。個人的には作者の私情が入ってこない近代文学の解説が一番心躍った気がする。

Posted byブクログ

2011/03/14

創作のために文学史を効率よく整理した書。 ①ロマン主義(物語的、記号的)から自然主義へ 近代小説(リアリズム)のはしり <イギリス> ・「ドンキホーテ」(ロマンス批判) ・「高慢と偏見」(個性的な人物) ・「嵐が丘」(ロマンス風だが同上) <フランス> ・バルザック「人間喜劇」 ...

創作のために文学史を効率よく整理した書。 ①ロマン主義(物語的、記号的)から自然主義へ 近代小説(リアリズム)のはしり <イギリス> ・「ドンキホーテ」(ロマンス批判) ・「高慢と偏見」(個性的な人物) ・「嵐が丘」(ロマンス風だが同上) <フランス> ・バルザック「人間喜劇」 ・デュマ「モンテクリスト伯」 ・フロベール「ボヴァリー夫人」 ・ゾラ「居酒屋」 ↓ロシアは仏語圏だったため影響 <ロシア> ・ツルゲーネフ「猟人日記」(ハムレット型、少年的、無能者) ・ドストエフスキー「罪と罰」(哲学青年系) ・トルストイ「戦争と平和」(したり顔の大人的) ↓経済、文化、思想状況がロシアと似ていたため影響 <日本> 日本的「物語」からの脱却(「里見八犬伝」「源氏物語」「雨月物語」) ・田山花袋「蒲団」(告白変態小説、自然主義をゆがんだ形で吸収) ・二葉亭四迷「浮雲」(ツルゲーネフ的無用若者小説) ・国木田独歩「武蔵野」(自然崇拝、自己崇拝) ★自然主義の違い ゾラ→科学技術の発展に呼応した合理的な人間分析、場面写実 ツルゲーネフ→文字通りの自然、田舎、森林 ②自然主義の分岐(私小説の誕生) 志賀直哉的→達観 田山花袋的→自虐、告白 他方、幻想小説の登場…江戸川乱歩、夢野久作、横溝正史 面白い小説の席巻、「純文学」という逃げ道の誕生(芥川龍之介 ) 純文学への批判「新感覚派」(面白くなくてはならない!) ・横光利一「機械」(実験的) ・川端康成「伊豆の踊子」(耽美的) ③プロレタリア文学と私小説 プロ文→社会的だが切実さがない 私小説→切実だが視野が狭い →「戦争」という大テーマのもとでの融合 また、「実存主義」の登場 ★戦後派の登場 大岡昇平、武田泰淳、野間宏、椎名麟三 安部公房(カフカ的、社会病理のメタファー) ★戦後派を支えた評論家 平野謙、埴谷雄高(哲学的、幻想小説、対話)、荒正人ほか ★プロレタリア文学の滅亡と社会派の登場 松本清張、水上勉 ④第3の新人登場(私小説的) ・安岡章太郎「遁走」(批評、ユーモア) ・吉行淳之介「暗室」(女、虚無感) ・庄野潤三「静物」(日常と不安) ⑤天才たちの登場 ・石原慎太郎 ・大江健三郎 ・開高健 ⑥反体制文学の登場 柴田翔、小田実、高橋和巳 ⑦「内向の世代」の登場 古井由吉、加賀乙彦 政治の季節の終了、江藤淳の登場、第3の新人の再評価 ★中上健二と大江健三郎 「実存」と「構造」の対立と克服 中上→神話的手法の無意識的な採用(初期は大江から影響、近親、血、部落) 大江→意識的採用「万延元年~」

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