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ユーゴスラヴィアと呼ばれた国があった の商品レビュー

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2017/04/06

タイトルは「ユーゴスラヴィア」とあるが、いわゆる「新ユーゴ」1992年から2003年まで存在したセルビアとモンテネグロによるユーゴスラヴィア連邦共和国のことで、本書はその中の、ユーロ2000の予選が行われた98年10月から99年10月までの約1年の同国の変化を、サッカーの試合と絡...

タイトルは「ユーゴスラヴィア」とあるが、いわゆる「新ユーゴ」1992年から2003年まで存在したセルビアとモンテネグロによるユーゴスラヴィア連邦共和国のことで、本書はその中の、ユーロ2000の予選が行われた98年10月から99年10月までの約1年の同国の変化を、サッカーの試合と絡めながらまるでドキュネンタリーのような筆致で描いている。私自身はオシムが監督をしていた92年までの出来事、特に90年のW杯前後のことはこれまで本で読んだり映像を見たりしてきたが、その後のことは知らなかったのでこの本はとても興味深かった。民族対立がそのまま試合にも反映されるような環境の中、ユーゴ代表を応援し続ける日本人といつしかそれに巻き込まれて、当初興味を持たなかったものまでが代表を応援するようになっていく様が面白い。他方で和平・融和のためのNGO活動をしていた女性が現実に直面し、恋愛問題もあって自国から出ていくことは対照的。ピクシーやミヤトヴィッチの名前が懐かしかった。

Posted byブクログ