マールスドルフ城1945 の商品レビュー

多島斗志之(著者)

2020/12/07

ドイツの敗色が濃くなった頃、在留していた日本人たちが貴族の城を刈り上げて、集団疎開したという史実に基づいたフィクション。お話のコアになるヒトラーの指令があまりにも荒唐無稽というか、夢みたいなものなので、史実に基づく第三帝国末期のリアルな描写とは水と油。なんとも収まりが悪い。自分はいったい何をやらされているんだろう？　と自問自答しながら人を殺す親衛隊大佐につきあわされて、読者も何をどう読んでいいのか、分からない感じかな。大佐をナチ流オカルト狂信者に最初から設定しとけば、ましだったかな。

2011/09/24

まず展開が遅い。結末がしょぼい（意外性を狙ったのかもしれんがよくわからん）。ヒロインが魅力ない。作者のねらいはまったくわからん。多島にも失敗作があるのかぁ。がっかり。

2009/10/04

1945年。何者かに父親を射殺された小林昇は、ベルリンを発ちマールスドルフ城に集団疎開する。そこへ総統より「赤い顔の敵を殺せ」という不可解な命令を受けた親衛隊大尉シュミットが現れ…。