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ものがたり風土記 の商品レビュー

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2017/05/12

病室から旅に出たくて、軽めのエッセイを一冊。滋賀、鹿児島…と、伝説や昔話、そして文学作品(日本・外国問わず)との縁を掘り起こしながら旅していく一冊。引き出しの多さは流石。アンチ・源氏物語派の話、一枚、二枚…と皿を数えるお菊の怪談を掘りに掘るのも面白い。個人的には「お”しん”」と「...

病室から旅に出たくて、軽めのエッセイを一冊。滋賀、鹿児島…と、伝説や昔話、そして文学作品(日本・外国問わず)との縁を掘り起こしながら旅していく一冊。引き出しの多さは流石。アンチ・源氏物語派の話、一枚、二枚…と皿を数えるお菊の怪談を掘りに掘るのも面白い。個人的には「お”しん”」と「”シン”デレラ」の何らかの関連、グリム童話がその成立過程で持たされている民族主義性や、ソロモン王と大岡裁きの類似性なんかが興味深かったので、東京編がベスト。

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2015/04/29

日本を代表するストーリー・テラー阿刀田高が元編集者 市さんと二人、「ものがたり」を採取しながら日本中を旅する旅行記。本編では琵琶湖の周辺、硫黄島を含む鹿児島県、佐渡を含む新潟県、東京などを訪ね、地元に伝わる「ものがたり」や正史、稗史を採取しては、聖書からミステリ小説に至るまで、そ...

日本を代表するストーリー・テラー阿刀田高が元編集者 市さんと二人、「ものがたり」を採取しながら日本中を旅する旅行記。本編では琵琶湖の周辺、硫黄島を含む鹿児島県、佐渡を含む新潟県、東京などを訪ね、地元に伝わる「ものがたり」や正史、稗史を採取しては、聖書からミステリ小説に至るまで、その類型に思いをはせつつ、小説とは何か、何のためにあるのか、といった根源的な問いを投げかける。 個人的にも旅行先の土産物屋で(なぜか日本全国同じような和綴じの装丁で売られている)土着の民話集を読んだり、地元の民族博物館に立ち寄ったりするのは好きなので、いつか阿刀田高のように「ものがたり」を求めて各地を尋ねて歩きたいと思った。続編も読む。

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