家事の政治学 の商品レビュー
近代によって派生した家政学のディスクールを追いながら、イデオロギー、国家、と拠り所を移していった家政が、ついに商品化社会に掬い取られる筋書きは当然と言えば当然だが、挿絵写真も充実して質の高い歴史書となっている。それにしてもエンゲルスの持ち家信仰批判は興味深い。
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マルクスは家事労働を女性を抑圧する、貨幣経済から除外された労働であり、近代の悪しき産物と定義した。この本はそんな苦肉を伴う家事労働を女性達がいかにして自己変革の契機にし、自分達の地位向上のためにカスタマイズしていこうとしたかを、産業発展や消費社会論とからめて論じている。家事労働が...
マルクスは家事労働を女性を抑圧する、貨幣経済から除外された労働であり、近代の悪しき産物と定義した。この本はそんな苦肉を伴う家事労働を女性達がいかにして自己変革の契機にし、自分達の地位向上のためにカスタマイズしていこうとしたかを、産業発展や消費社会論とからめて論じている。家事労働が自明とものとされ、制度化されていく中で排除されていった思想がいかに多いことか、考えさせられる1冊。
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