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回思九十年 の商品レビュー

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2024/03/31

白川静は、「漢文世代の最後の碩学」。古代漢字研究の第一人者として知られ、字書三部作『字統』、『字訓』、『字通』を書き残した。字源字書としての「字統」、国語よみとして定着する状態、古語辞典を兼ねた形の「字訓」、前両書の成果を基礎とする一般字書としての「字通」。文字学に人生を捧げた。...

白川静は、「漢文世代の最後の碩学」。古代漢字研究の第一人者として知られ、字書三部作『字統』、『字訓』、『字通』を書き残した。字源字書としての「字統」、国語よみとして定着する状態、古語辞典を兼ねた形の「字訓」、前両書の成果を基礎とする一般字書としての「字通」。文字学に人生を捧げた。 辞書ではなく、字書。字書とは、多くの言葉や文字を一定の基準で並べ、その表記法や発音、語源や意味、用法に至るまでを記したもの。 字書の世界には、その文字に纏わる歴史や文化にも広がり、ロマンもあれば、ある種の真実もある。本書で、その世界の面白味を改めて知った。 ー 文字はただ複雑な記号に過ぎないものではなく、字形学的に体系があって、説明のできるものであること。合理的な思惟好む外国人にも理解させることができる。文字は理解することによって、記憶の負担を除くことができるのです。 ー ものを考える。土台が頭の中に用意されることが大事。書物は読まないかん。主なものは覚えるくらい読まんといかん。 甲骨文や金文から、文字の成り立ちを読み解いていく。断片的に抜き出すとただの雑学のようで、文字学の味わいを上手く伝えられないが、それでも一部を下記に。 例えば、跪く「女」、髪飾りをつけて「妻」、妻が祭事にいそしむかたちを「敏」、「捷」、髪飾りが多いと「毒」、家の中に女が座って「安」。 他にも、雅はカラスの事。道という言葉は、異民族の首をぶら下げて、歩くという意味の字。人と犬を埋める伏。達は羊が子羊を産んだ様子など。 戦後進駐軍は、日本に対してローマ字にせよ、それがダメなら仮名書きにせよ、最後に妥協して必要な範囲の若干の漢字を残すことを認めた。ベトナムはフランスの植民地時代にローマナイズしてしまった。白川静は、残された漢字の少なさを嘆くが、それでも残されて良かった。日本人の識字率の高さゆえ、消そうとしても消せなかったという事もあるのではないか。 宮城谷昌光も江藤淳も白川静を先生先生と敬った。その意味が、よく分かる。

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2017/01/12

白川静の短めの自伝(「私の履歴書」)に11のインタビュー・対談を加えたもの。白川の仕事にはこれまで断片的にしか接してこなかったが、おおむね興味深く読めた。前半の自伝は簡潔な文体で様々なエピソードが語られており、大変面白い。後半の対談集では当然ながら白川自身の仕事の内容が中心的なト...

白川静の短めの自伝(「私の履歴書」)に11のインタビュー・対談を加えたもの。白川の仕事にはこれまで断片的にしか接してこなかったが、おおむね興味深く読めた。前半の自伝は簡潔な文体で様々なエピソードが語られており、大変面白い。後半の対談集では当然ながら白川自身の仕事の内容が中心的なトピックとなるが、しばしば話題は現代社会と漢字の関係などにも及ぶ。国字政策についての考え方など、傾聴すべきであろう。

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2011/03/31

良い本。 宮城谷じゃないけど、清新な文章、というか、気分になれる本。 学問に真摯に打ち込んできた人の、誠実な文章。 酒見の感想が的確。エネルギッシュ、ざっくばらん、燃えさかる静けさ、そして満ちあふれた自信。 「自分がやってきた仕事に揺るぎない信念があればこそ、ただ笑っているだ...

良い本。 宮城谷じゃないけど、清新な文章、というか、気分になれる本。 学問に真摯に打ち込んできた人の、誠実な文章。 酒見の感想が的確。エネルギッシュ、ざっくばらん、燃えさかる静けさ、そして満ちあふれた自信。 「自分がやってきた仕事に揺るぎない信念があればこそ、ただ笑っているだけでも自信が表出するのであろう」 白川静の業績や人となりを知るためにも、またそんなもんに興味がなくとも、良い本である。

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2009/10/04

白川静氏の履歴と酒見賢一さん、宮城谷昌光さんら、11本のインタビュー・対談が収録されています。齢九十を超えてなお熱い白川氏の情熱に感動。

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2009/10/04

・冒頭の私の履歴書だけでも読む価値あり ・その昔、親に白川静も知らないのか、と驚かれたけれど、  そう言われるのも当然なくらいの大家であることを思い知らされました ・対談の章は、専門的すぎて分からない部分も多々。残念ながら

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