アメリカで乳がんと生きる の商品レビュー
先日読んだ俵萠子さんの「六十代の幸福」(2003.11)で65歳で乳癌・手術、手術以来温泉に一度も入らなかった俵さんをして温泉デビュー(2001.6.1)に導いた書が、本書、松井真知子さんの「アメリカで乳がんと生きる」(2000.3)だったそうです。表紙は右の手術跡の傷口にそって...
先日読んだ俵萠子さんの「六十代の幸福」(2003.11)で65歳で乳癌・手術、手術以来温泉に一度も入らなかった俵さんをして温泉デビュー(2001.6.1)に導いた書が、本書、松井真知子さんの「アメリカで乳がんと生きる」(2000.3)だったそうです。表紙は右の手術跡の傷口にそって樹木の入れ墨を施したメッツガーという女性詩人のヌード。松井真知子さんも47歳で乳がんの告知を受け、1年後の1996.6手術をされたそうです。日米の癌治療の違い、癌と闘うか癌と生きるか。松井さん生きてらっしゃるといいなと思います!
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
乳がんで夭折した僕の同業者であり、女性学者でもある、松井真知子さんの闘病記、というよりも「ガン告知後いかに生きたか」の記録。ガンに真っ向から立ち向かって行ったNYのジャーナリスト、千葉敦子さんとは対照的に、ガンとうまく付き合っていこうとした記録。だからタイトルも「乳がんと生きる」。 後から考えてみると、上野千鶴子さんに会いたいがためにダラスで彼女が主宰した学会を僕が訪ねて行き、上野さん他と一緒に彼女の自宅を訪ねたのは、告知の後、本格的な治療が始まるまでの寛解期だった。僕は上野さんから聞いてはいたものの、松井さんはガン患者だとは全くわからないような元気さだった。夫君と会った記憶はないので、最愛の妻のガンを認められずに「写真家の仕事を取りまくっていた」頃だったのだと思う。 素晴らしい夫君と友人たちに恵まれたとは言え、「もうやり残したことはない」と言い切れるまでの達観は僕にはとても真似が出来ると思えない。特に感動的なのは夫君とリトリート(他のガン患者と一緒の一週間の旅行)の話。手元に本がないので、正確ではないが「私が死んだ後、夫にはたまにでいいから思い出してほしい。そして、幸せになれるよう、再婚してほしい」という。亡くなる前にリトリートに一緒に行った母親とも和解できて本当に良かったと思う。 合掌。
Posted by
- 1