ロボットにかける夢 の商品レビュー
ロボット工学の第一人者である著者が、現在のロボット工学が取り組んでいる問題の地平について解説している入門書です。 著者は、「哲学の目標を人間の理解とするなら、ロボティクスこそが哲学となり得る」と語っており、ロボット工学の観点から人間の知性や身体にアプローチするためのさまざまな切...
ロボット工学の第一人者である著者が、現在のロボット工学が取り組んでいる問題の地平について解説している入門書です。 著者は、「哲学の目標を人間の理解とするなら、ロボティクスこそが哲学となり得る」と語っており、ロボット工学の観点から人間の知性や身体にアプローチするためのさまざまな切り口が示されています。具体的には、ドレイファスとサールのAI批判の検討や、チューリング・マシンの初歩的な説明にもとづく人間と機械の思考にかんする問題提起、さらに人間が指で物をつまむ動作をロボットによって実現するための方法を説明することで、人間の身体的な知の解明に向けての研究の方向性などのテーマがとりあげられています。 テーマが多岐にわたっていることもあって、一つひとつの問題について概観を得るための十分な説明がなされているとはいいがたいように感じましたが、ともあれロボット工学でどのようなことが問題になっているのかということを、おおまかに把握することのできる内容になっていると思います。
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