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漢奸裁判 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2013/09/17

 日本は過去の歴史において中国になんと愚かな行為をしたことかと、本書を読んであらためて思った。  本書は昭和の一時期に「対日協力者」とされた中国の「親日派」が「漢奸」とされていった経過を詳細に追っている。  過去を現在の視点から見て、軽率な評価はできないとは思うが、日本が中国の「...

 日本は過去の歴史において中国になんと愚かな行為をしたことかと、本書を読んであらためて思った。  本書は昭和の一時期に「対日協力者」とされた中国の「親日派」が「漢奸」とされていった経過を詳細に追っている。  過去を現在の視点から見て、軽率な評価はできないとは思うが、日本が中国の「親日派」を孤立させて追い込んで行ったような歴史経過は、中国人にとって現在でも「親日」になることは、イコール「漢奸」という連想につながっても不思議はないと思えた。  このような、遠い未来にまで影響を及ぼす愚かな外交政策を、なぜ当時の日本が選択したのかは、本書の詳しい経過を読んでも、なお理解しにくい。  「謀略」を読むと、日本における外交政策が「軍」において展開されている様子がわかるが、かたよった「理念」や「思想」しか持たない「軍」が政策を壟断したためなのだろうか。  「政治システム」のせいなのか、「政策担当者が愚か」だったのか、まだまだこの時代については知りたいことが多いと思った。  本書は、20世紀前半の日中双方にとって「不幸な歴史」を検証している興味深い書ではあるが、まだまだ全容は明らかとはいえないと思った

Posted byブクログ

2012/09/05

日中戦争時の汪兆銘による南京政府の起こりと過程、 終戦後に関係者が蒋介石によって裁かれた漢奸裁判までを描く。 題名こそ漢奸裁判を謳っているが、個人的には 南京政府の存在意義について解説された内容が興味深かった。 また日中戦争時の和平工作や重慶と南京間の工作についても 触れられて...

日中戦争時の汪兆銘による南京政府の起こりと過程、 終戦後に関係者が蒋介石によって裁かれた漢奸裁判までを描く。 題名こそ漢奸裁判を謳っているが、個人的には 南京政府の存在意義について解説された内容が興味深かった。 また日中戦争時の和平工作や重慶と南京間の工作についても 触れられており、面白い。 聞きなれぬ名前が続出し、 原文のまま引用された資料がやや読みにくいのは仕方のないところか。

Posted byブクログ

2011/04/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] 1937年7月、盧溝橋事件の拡大で日中全面戦争が始まる。 両国ともに宣戦布告を行わず、国交関係を維持したため、戦争当初から様々な和平工作が展開された。 「親日派政権」樹立をもくろむ日本側は、国民政府ナンバー2の汪兆銘に働きかけ、40年、国民政府へと誘導した。 しかし日本の敗戦は、大量の売国奴=漢奸を生み出すことになる。 傀儡政権関係者の裁判記録を緻密にたどり、中国人の歴史観に迫る野心作。 [ 目次 ] 第1章 謀略 第2章 「漢奸」への道 第3章 「漢奸」の価値 第4章 南京政府の終戦 第5章 「党は分裂すべからず」 第6章 蒋介石の判断 第7章 「主戦」と「主和」―さまざまな「漢奸裁判」 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

Posted byブクログ

2010/08/23

内容はおもしろかったんだけど、裁判のことよりその原因となった、汪兆銘の南京国民政府がなぜつくられたかということに重きが置かれてた。 もうちょっと裁判の過程が知りたかったな。

Posted byブクログ