トランスパーソナル心理学 の商品レビュー
トランスパーソナル心理学。 ウィルバーはすごいと思うけど、それ以外はちょっとスピ系な印象があって、概説書的なものを読むのは先送りにしていた。 が、最近、人間性心理学を読んで、ここに近年の人や組織へのさまざまなアプローチの源流の一つがあるなと思い、トランスパーソナルもその流れで...
トランスパーソナル心理学。 ウィルバーはすごいと思うけど、それ以外はちょっとスピ系な印象があって、概説書的なものを読むのは先送りにしていた。 が、最近、人間性心理学を読んで、ここに近年の人や組織へのさまざまなアプローチの源流の一つがあるなと思い、トランスパーソナルもその流れででてきたんだねという理解のもとに読んでみることに。 まずは、話しの前提として、60年代のアメリカ西海岸のカウンターカルチャーの状況などが紹介されて、そのうえで、「後期」?マズローのトランスパーソナルの創設、そして、トランスパーソナルとは思っていなかったフランクルとの関係を整理したところで、本論?に入っていく感じ。 トランスパーソナルと言っても、ほんとたくさんの流派があるんだと思うのだけど、ここでは幹のところをしっかり整理してくれている印象で、かなり理解が進んだ。 そういう文脈が理解したところで、やっぱウィルバーの凄さがわかる。 あと、日本におけるトランスパーソナルの状況を論じるにあたっても、日本の戦後のムード、思想みたいなのを踏まえながら、説明されているところも、納得感はあった。 この2000年の増補新版では、プロセスワークのことが追加してあったり、アップデートされているのだが、そのなかでのウィルバーのその後の発展が紹介されている。そして、ウィルバーをトランスパーソナル心理学を超えているとして、この2つは別のもの(包含して超えるということだが)として今後論じたいとしているのに納得。 余談ではあるが、フーコーが来日したときに筆者が禅寺に案内したというエピソードが面白い。著者はフーコーに「あなたは、ヨーロッパ近代の人間の終わりについて語っていて、その後は東洋的なものにあるのか?」と聞いたら、フーコーは、「禅宗の師家と弟子の関係の中に東京的な私はの技術をみいだすことができるのではないかと興味がある」とのことだったらしい。自分の知らないものに安易に解決策をみたりしないところが実にフーコーらしい答えだな〜と思った。著者はここに西洋的に批判的知性の限界を見出すのだが、そんな簡単なものではないだろうと思う。まあ、これは、フーコーの遺稿が整理されて、著書に比べると、フランクでストレートなインタビューとか、時事問題に対するエッセイを読めるようになった今だからわかることもあるわけだし。とは言っても、アメリカ的知性とヨーロッパ的知性の違いみたいなのものがある感じはして、それまた面白い。
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宗教に限らず、自己変容を起こすあらゆる技術・文化を一つに統合しようとするトランスパーソナル心理学の目論見がよく理解できる本。
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心理学がどういうものかわかる。グロフの出生時の体験がその後の人格に影響するという研究は驚いた。赤ちゃんも生まれてくるときは苦しくて必死なので、母親はそこで必要以上に怖がらず、赤ちゃんに安心を与える存在でなければならない。 アサジョーリの自分を脱同一化して客観視するという点も共感。...
心理学がどういうものかわかる。グロフの出生時の体験がその後の人格に影響するという研究は驚いた。赤ちゃんも生まれてくるときは苦しくて必死なので、母親はそこで必要以上に怖がらず、赤ちゃんに安心を与える存在でなければならない。 アサジョーリの自分を脱同一化して客観視するという点も共感。 フランクルのナチスの体験から、極限状態において、体力よりも気力が生死を分けるという研究も興味深かった。
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今まで漠然と持ってきたこの思いはなんだろう。 自分を観察し始めたときに、色々なことへのきっかけを与えてくれました。 仏教、西洋哲学など包括的な心理学派。とてもおもしろかったです。
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