島田荘司読本 の商品レビュー
エッセイや書き下ろし…
エッセイや書き下ろし小説が収録されています。島田氏は著作が多いので、全著作ガイドが付いているのはうれしいですね。
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島田作品を知るのにと…
島田作品を知るのにとても便利。御手洗潔シリーズと吉敷竹史シリーズの違いが分かる。
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ガイドブックを「読本」と日本語で云うのか知らないが、本書は島田氏の2000年までの全作品の解説と島田氏を取巻く周囲の作家(とはいっても井上夢人氏と歌野晶午氏しかいないが)の島田荘司氏の印象、それと書き下ろしの創作・エッセイで纏められたムックみたいなもの。 島田全作品解題・解説は...
ガイドブックを「読本」と日本語で云うのか知らないが、本書は島田氏の2000年までの全作品の解説と島田氏を取巻く周囲の作家(とはいっても井上夢人氏と歌野晶午氏しかいないが)の島田荘司氏の印象、それと書き下ろしの創作・エッセイで纏められたムックみたいなもの。 島田全作品解題・解説はこういった本ならば定番なのだが、読者の知らない島田氏の素顔、横顔をもっと色んな作家に語って欲しかった。 また本書に書き下ろされた創作やエッセイはやはり島田氏の日本人論が展開され、最近これらを読まされてきた自分にとってはちょっと食傷気味だった。 しかし、この本が出た頃というのは充電期間というか迷走期間というか、島田氏本来の本格推理作家というスタンスが世に知らしめされなかった時期であるから忸怩たる思いがしたものだ。 この年前後の新作発表ラッシュを考えるとまさに本書は作者としての1つの区切りであり、新生・島田荘司誕生の序曲であった、そう読み取れるのである。
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島田荘司のイメージは、なんといっても占星術殺人事件。暗闇坂、アトポス、水晶のピラミッド、龍臥亭。御手洗潔。新人推理作家に不思議なペンネームをつける、面倒見の良い人。ロスにすむカッコ良い成功者。などなど。 ということで、多作な人と知っていたし、分厚い長編にも親しんだのに、他のシリー...
島田荘司のイメージは、なんといっても占星術殺人事件。暗闇坂、アトポス、水晶のピラミッド、龍臥亭。御手洗潔。新人推理作家に不思議なペンネームをつける、面倒見の良い人。ロスにすむカッコ良い成功者。などなど。 ということで、多作な人と知っていたし、分厚い長編にも親しんだのに、他のシリーズの存在さえしらなかった。 この読本で、初めてその全作品を見て、きになる作品をピックアップ。以下備忘録。読みたい! 毒を売る女 御手洗潔の挨拶(既読) 異邦の騎士(既読) 切り裂きジャック・百年の孤独 Pの密室 吉敷竹史シリーズ ちなみにこの本の構成は、読本というだけあって、文庫本なのにかなりリッチ。 御手洗潔の父親のストーリーでは、誕生秘話さえ語られなかったものの、歴史ものレベルのしっかりした書き込みに、こちらを主人公に据えた物語がもっと読みたい、と思わされた。 『本当の絶望とは、きっとこういうものなのであろう。成功の強い喜び、失敗の激しい絶望、それがゆえの死への願望、そんなものがあるうちはまだよい。真に苦しいのは、どうでもいいという虚脱感だ。生きていても死んでいてもいいよと、神が自分に向かって言っているようなこの感じだ。神の自分への見放し、どうしようもない無関心の気配、これ以上の悲しみはこの世にはない。 島田荘司読本「天使の名前」』
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書き下ろし短編や2000年までに発売された全著作のブックガイドなど盛りだくさんな内容。刊行ペースの速さに驚きです。恐るべきバイタリティ…! 御手洗潔の父、御手洗直俊が戦時中にアメリカとの開戦をどうにか回避させようと奔走する「天使の名前」に泣いた。御手洗は両親のことを嫌っているよう...
書き下ろし短編や2000年までに発売された全著作のブックガイドなど盛りだくさんな内容。刊行ペースの速さに驚きです。恐るべきバイタリティ…! 御手洗潔の父、御手洗直俊が戦時中にアメリカとの開戦をどうにか回避させようと奔走する「天使の名前」に泣いた。御手洗は両親のことを嫌っているようだったけど、立派な人じゃないか。どうもこのパパを見てると幼い御手洗を残してさっさと海外に行ってしまうような人物には見えないのですが。御手洗の自我を貫くところは確実に直俊の遺伝子を受け継いでるなと思いました。ということはエキセントリックな遺伝子はこの後出会うであろう御手洗ママのものだろうか…とか色々と想像を掻き立てられました。 太平洋戦争のあたりの世界情勢について詳しくないので最初の方は読んでてきつかったけど、戦時下の各国の思惑や駆け引き、一触即発の雰囲気などは読んでいてどきどきしたし面白かった。島荘先生は興味ない歴史の話でも面白く読ませてくれるからやっぱりすごいなと思う。 島荘作品は御手洗シリーズしか読んだことがなかったので、著作ガイドは大変ありがたい。これも読みたいあれも読みたいとチェックしながら読みました。 あといしいひさいちの「島田荘殺人事件」が面白かったです。
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御手洗潔の父、直俊は太平洋戦争前夜、日本が負けることを確信していた。直俊は軍を説得しきれず、日本は焦土と化した。暗黒時代の青春、絶望と再生の物語──。(「天使の名前」)名探偵・御手洗潔のルーツを探る感動的な巻頭書き下ろし小説を始め、評論・全作品を網羅した著作ガイドを含む、完全版個...
御手洗潔の父、直俊は太平洋戦争前夜、日本が負けることを確信していた。直俊は軍を説得しきれず、日本は焦土と化した。暗黒時代の青春、絶望と再生の物語──。(「天使の名前」)名探偵・御手洗潔のルーツを探る感動的な巻頭書き下ろし小説を始め、評論・全作品を網羅した著作ガイドを含む、完全版個人読本。
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