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日蓮入門 の商品レビュー

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日蓮の主著とされる「…

日蓮の主著とされる「立正安国論」「開目抄」「観心本尊抄」「三大秘法抄」等を成立の背景や、これまでの日蓮研究を踏まえて、客観的解釈に勤めている。簡明な著述ながら、日蓮の核心に迫る名著。

文庫OFF

2013/07/13

日本史上に残る傑僧でありながら何かと誤解されがちな日蓮。その生涯を追いかけ、また主著と遺文を読み解く一冊です。 「入門」と銘打っていますが内容はかなり濃厚。日蓮の主著を丁寧に読み解きながら、そこに内包された思想を丁寧に解説してくれます。特に佐渡流罪以前以後の思想的変遷を重点的に...

日本史上に残る傑僧でありながら何かと誤解されがちな日蓮。その生涯を追いかけ、また主著と遺文を読み解く一冊です。 「入門」と銘打っていますが内容はかなり濃厚。日蓮の主著を丁寧に読み解きながら、そこに内包された思想を丁寧に解説してくれます。特に佐渡流罪以前以後の思想的変遷を重点的にフォローしており、これ一冊である程度の概要を掴むことが出来るでしょう。 わけても日蓮の持つ多面性を教えてくれる点がいい。政治権力と戦う闘士、国家を超えたユートピアを思い描く夢想家/思想家、それでいながら国家権力の重要性を認識したリアリストと、陰影に富んだ日蓮の姿を知ることが出来ます。仏教的な観点を抜きにしても興味をそそられる一冊と言えましょう。 なお、現在はちくま文庫から増補版が出ています。これから読むという場合はそちらをお勧めします。

Posted byブクログ