白鯨(下) の商品レビュー
エイハブ船長が最後まで好きになれなかった。 特に航海に大事な四分儀を壊してしまったときに、 なんて酷い船長だと感じた。 エイハブ船長が一方的に復讐心を燃やしている相手である白鯨には同情してしまう。 シンプルな文章が好みの自分としては、ゴテゴテに飾り立てた文章は読みづらく辛抱して完...
エイハブ船長が最後まで好きになれなかった。 特に航海に大事な四分儀を壊してしまったときに、 なんて酷い船長だと感じた。 エイハブ船長が一方的に復讐心を燃やしている相手である白鯨には同情してしまう。 シンプルな文章が好みの自分としては、ゴテゴテに飾り立てた文章は読みづらく辛抱して完読にいたった。
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アメリカ文学を代表する一作として、そして世界十大文学の一つとして数え上げられる本作を、何の予備知識もなく読んだらどうなるでしょうか。 おそらく、「意味プー」であろうことを容易に想像できます。 映画『ジョーズ』の元型であるモービィ・ディックはあまり登場しないし、やたらと書誌学的...
アメリカ文学を代表する一作として、そして世界十大文学の一つとして数え上げられる本作を、何の予備知識もなく読んだらどうなるでしょうか。 おそらく、「意味プー」であろうことを容易に想像できます。 映画『ジョーズ』の元型であるモービィ・ディックはあまり登場しないし、やたらと書誌学的な知識や情報に基づいて語るイシュメールは延々とクジラについて瞑想するし・・・。とにかく「小説」や「物語」として読もうとすると、苦痛そのものでしょう。 しかし考えてみると、著作権についても現在ほどしっかり定まっていなく、小説の書き方についても現在ほど定まってなかった時代だからこそ、ここまで恐ろしく奔放に書けたのでしょう。 ですから読者は、現在から遠く離れた当時の文学空間を想像することが必要です。そして、その想像力によってこそ作者の創造力をうかがい知ることができるのであり、クジラを語ることを通じてセカイを語ろうとする作者の途方もない企画力をうかがい知ることができるのです。
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待ちに待った白鯨とのシーンは最後わずか100ページにも満たず。そして結末は、上巻の裏表紙に書いてやがるもんだから、ネタバレの中、読了。
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じつに様々なことが書かれている。鯨に関する事と捕鯨に関する事。個々の事柄に向けられた強固な眼差しは、時に普遍性を帯びるとおもう。この本の中で描かれる膨大な細部と比喩に圧倒され、一見してとても大きなものに向き合ってる気にさせられるけど、例え話のようなものではなく読みたい。
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わたしが読んだのは河出書房の全集シリーズだったのですが、この最新版の訳はなかなか評判がいいようなので、また読んでみたいです。(河出の訳は…)(…)
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