母親を奴隷にする子どもたち の商品レビュー
子供を、シュララッフェンランド(何しなくても楽しく贅沢に暮らせる国)の住人にしてはいけない…ドイツの「怠惰の国」という話である。そのような国に住んでいるが如く、子供を育てている母親が多いと言います。その母親は子供の奴隷であり、子供も母親に対して敬意を払ったり気を使うことは必要の無...
子供を、シュララッフェンランド(何しなくても楽しく贅沢に暮らせる国)の住人にしてはいけない…ドイツの「怠惰の国」という話である。そのような国に住んでいるが如く、子供を育てている母親が多いと言います。その母親は子供の奴隷であり、子供も母親に対して敬意を払ったり気を使うことは必要の無い事だと思っている。自分の要求には泣いて脅し侮蔑を与え、また暴力を払い、母親にイエスと言わせることは容易いと考える子供達。母親が傷付こうが、体調が悪くて臥せっていようが、子供の要求は止まる事を知らない。母親は子供の願いを聞き届ける人であるだけなのだ。子供は純真無垢で無知であり擁護するものだと考えられる。だけど子供は既に知恵を絞り母親を隷属する事に長け、余所ではそのような顔を出しても自分の要求は通らないものだとも知っている。そのような子供にしているのは母親であり、躾ければ母親の愛を最大限に受け、そして愛を与える事も覚えるものなのだ。だけど奴隷に成り下がった母親の子供は、他人を愛する事を知らずに大きくなり、性格障害といった不具合な大人になってしまう。そうならない為にも、子供には毅然とした態度を取り続け、その上で最大限の愛を与えるのがベスト。子供は怒られたって、親の愛情は無意識かで信じて疑わないものらしい。子供に対して叱った時に、子供が傷付くのではないか、歪んで育つ原因になるのではないか、嫌われてしまうのではないかと不安になり、子供を甘やかしてしまう親。そう言う親の方が嫌われ大事にされないものなのです。 ワタシも最近同じ様な経験を1歳5ヶ月の息子にしました。ワタシをナメきった息子はワタシの顔をバシバシ叩く。躾と称して同じ様に叩き返しても叩き返されるだけ。ママは自分が笑えばママもまた笑って許してもらえると知っていた息子。そう…叩かれ痛い!ダメ!と言うと、笑う息子につい釣られて笑っていたワタシ。それから怖い顔を作って崩さず息子をギリギリ睨みつけること数日。息子はワタシの尋常じゃない態度に不安を覚え、懐くようになりましたwワタシをリスペクトする事を覚えたようです!子供は甘やかしてばかりだと自分の生活が大変になってくるのだ。それは手抜きではなく、家族が楽しく生活していく為の共同生活ルールを覚えさせる。それが大人になった時にまた家庭を作っていく礎になるのです。躾は子供の為でもあり、親の為でもある。そして未来の家族の為でもある。 少々同じ事が何度も繰り返されて、途中すっ飛ばしたくなる印象がありましたが(訳本には多いですね…)、概ね為になる内容でありました。
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シュララッフェンランド――それは贅沢三昧の国のことで、そこでは欲しいものはなんでも手に入り、働くことは悪徳で、怠惰が美徳とされます。これは昔からドイツにある言葉(概念)だそうですが、著者は、現代の消費社会に生きる子どもたちを、このシュララッフェンランドの住人と捉えています。そして...
シュララッフェンランド――それは贅沢三昧の国のことで、そこでは欲しいものはなんでも手に入り、働くことは悪徳で、怠惰が美徳とされます。これは昔からドイツにある言葉(概念)だそうですが、著者は、現代の消費社会に生きる子どもたちを、このシュララッフェンランドの住人と捉えています。そして、これはあくまで母親に向けて書かれたメッセージであることを強く述べています。 このような子どもたちは、欲求に際限がなく、自己中心的で気分屋、思いやりがなくうぬぼれが強い、という特徴をもっています。母親はそれに気づいていながらも、間違った教育神話を信じ込み、それに基づいて子どもの言うとおりに振舞ってしまいがちなのです。 子どもにどんなに打ちのめされても、我が子かわいさに教育神話が加わってつい手を貸してしまう。そのときには些細な事柄だと思っていても、それが積み重なることで将来子どもに降りかかる事態は非常に深刻なものになってしまうということです。 今、人間関係が築けず、社会性に欠け、努力することもなく、傲慢な子どもたちが増えているのはこのためで、母親は子どもの欲求を解消するために利用されているだけなのだと気づくことが必要だと説いています。これは現代日本にも大いに言えることではないでしょうか。 この本は、本当の教育と真の愛情というものを再認識させ、具体例をふんだんに盛り込みながら母親がどう対処すればよいのかを教えてくれる、現代ならではの教育書です。父親の存在意義と役割にも触れているので、男女を問わず、子を持つ親御さんたちにはぜひ読んでいただきたいと思いました。 出かけた先でよくみかける子どもに対し、どうしてああなんだろう、あの子たちの思考回路はどうなっているんだろうと常々理解に苦しんでいるわたしにも、その答えをはっきりと出してくれました。そして、将来わたしに子どもができたときのためにも非常に勉強になりました。 少年犯罪が後を絶たない日本でも、人の痛みがわからない、思いやりも良心もない子どもたちを問題視していますが、その大元の原因はやはり親にあるということが、この本を読むとよくわかります。ドイツでも同じことで悩んでいる人が多いということですね。(2002.6.28)
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