アメリカ文学のレッスン の商品レビュー
数々のアメリカ文学の優れた翻訳で知られる翻訳家・大学教授である柴田元幸によるアメリカ文学を巡るエッセイ。一応、幾つかのテーマを設定し、複数のアメリカ文学作品を紹介しつつ、アメリカ文学の本質に迫る。 フォークナーの『アブサロム、アブサロム!』に代表される家を建てることへのこだわり...
数々のアメリカ文学の優れた翻訳で知られる翻訳家・大学教授である柴田元幸によるアメリカ文学を巡るエッセイ。一応、幾つかのテーマを設定し、複数のアメリカ文学作品を紹介しつつ、アメリカ文学の本質に迫る。 フォークナーの『アブサロム、アブサロム!』に代表される家を建てることへのこだわりがWASP男性の自己実現欲求を投影したのであるという論考など、アメリカを知れる一冊。難しくないので、気軽に読めるのも良い。
Posted by
アメリカ文学に興味があるわけではない。ところが興味がないものを読みたくさせてしまうのが柴田先生の控えめで強力なレトリック。 テーマごとになっており、どこから読んでもよいつまみぐい式。 アメリカ文学というのはひとつ、父親不在の文学である。 アメリカ文学において父親を探しにいくとい...
アメリカ文学に興味があるわけではない。ところが興味がないものを読みたくさせてしまうのが柴田先生の控えめで強力なレトリック。 テーマごとになっており、どこから読んでもよいつまみぐい式。 アメリカ文学というのはひとつ、父親不在の文学である。 アメリカ文学において父親を探しにいくというのはあまり得策ではない。会いに行った父親は廃人であったり、はたまた殺人鬼であったりするのだ。 そこに新しい流れをもたらせたのが50~60年代のユダヤ系文学であるそう。ここに示される父親にはプラスの影響が見られる。最近読みたいと思っていた David Grossmanをふと思う。 とりわけヘンリー・ミラーの『北回帰線』、メルヴィルの『ピエール』、ジョーゼフ・ヘラーの『キャッチ=22』が読みたくなった。 これだけ読みたくさせておいて「訳書・原書に向かっていただかなくとも、何か楽しいことが生じてくれれば何でもいい」といっている柴田先生の脱力感がまたいい。
Posted by
小中学校の国語の読解問題で一部抜粋が使われてて、当然有名どころのクライマックスだから面白いに決まってる!のに続きがすぐ読めないストレス。 を、感じます。 おまけに一部抜粋が前半部で後半部に作者の背景事情とか他の作品との絡みなんかも解説しちゃった論説文がついてて抜粋なのに一部な...
小中学校の国語の読解問題で一部抜粋が使われてて、当然有名どころのクライマックスだから面白いに決まってる!のに続きがすぐ読めないストレス。 を、感じます。 おまけに一部抜粋が前半部で後半部に作者の背景事情とか他の作品との絡みなんかも解説しちゃった論説文がついてて抜粋なのに一部なのにやたら読みに厚みでてきちゃった、ような、気分になってむきゃーてなるやつ。 あー本読みたい。ていうか本読みたい。本読みたい。まじ本読みたい。仕事とか本読むのに比べてなに楽しいかわかんないし本読みたい。三次元超苦手だし本読みたい…
Posted by
[ 内容 ] ポーからパワーズまで、著者自ら訳し、語る、待望の本格的講義。 [ 目次 ] 名前 食べる 幽霊の正体 破滅 建てる 組織 愛の伝達 勤労 親子 ラジオ エピローグ―アメリカ文学のレッスン [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆...
[ 内容 ] ポーからパワーズまで、著者自ら訳し、語る、待望の本格的講義。 [ 目次 ] 名前 食べる 幽霊の正体 破滅 建てる 組織 愛の伝達 勤労 親子 ラジオ エピローグ―アメリカ文学のレッスン [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
Posted by
[関連リンク] 松岡正剛の千夜千冊『アヴァン・ポップ』ラリイ・マキャフリイ: http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1124.html
Posted by
柴田さんはゴーリーの絵本の名訳に感動した記憶があって、これも期待して読んだ。アメリカ文学には興味が一切なかったけれど、テーマごとに深く掘り下げた考察と、引用とを交えてアメリカ文学作品を紹介してある。色々読みたくなりました。
Posted by
- 1
- 2