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Mの日記 の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2023/07/28

 齢の離れた妹フラニーを殺した、あるいは悦虐プレイ中の事故死のホストと目されるMは大学教授でピアノが趣味。どうみても彼が怪しいが、警察には事件の2週間前に「関係を絶った」と説明し、フラニーが関係を執拗にせがむメール等も残されている/肉食のカウボーイ国だけに、ブタに乳房を含ませる、...

 齢の離れた妹フラニーを殺した、あるいは悦虐プレイ中の事故死のホストと目されるMは大学教授でピアノが趣味。どうみても彼が怪しいが、警察には事件の2週間前に「関係を絶った」と説明し、フラニーが関係を執拗にせがむメール等も残されている/肉食のカウボーイ国だけに、ブタに乳房を含ませる、目隠しして箱詰め(ほら、殺そうと思えば殺せたんだから、僕は信頼できるだろう?) ホイッピング九尾鞭より竹鞭のほうが痛い のハードなプレイが続出…やがて「お仕置き」を受けるのが快感に変わっているのを自覚し、従来のセックスフレンド、イアンには冷感になってしまった。彼は妹ともセックスしていた…それをMはなんと彼と同性愛プレイして聞き出した…  アメリカらしい勧善懲悪的結末ではあるが、「私に性欲があるのはセックスを楽しむためで隠す必要はない」「誰にでも固有のセックス嗜好がある」というメッセージを感じる。

Posted byブクログ

2009/10/04

カリフォルニア州、サクラメント西、デイヴィス。 のどかなこの街で、手足を縛られ、拷問を受けた若い女性の全裸の腐乱死体が発見された。 被害者のPCに残された日記を見た姉のノーラは、犯人は彼女の恋人で、街の音楽大学の教授である中年紳士、マイケル・Mと確信する。 何一つ、証拠を掴めない...

カリフォルニア州、サクラメント西、デイヴィス。 のどかなこの街で、手足を縛られ、拷問を受けた若い女性の全裸の腐乱死体が発見された。 被害者のPCに残された日記を見た姉のノーラは、犯人は彼女の恋人で、街の音楽大学の教授である中年紳士、マイケル・Mと確信する。 何一つ、証拠を掴めない警察に業を煮やしたノーラは、自分でMの正体を暴くべく、Mに接近し、彼のアブノーマルな性の世界へとはまり込んでいき、彼が妹に課していた支配的で屈辱的な世界を味わい、次第にそれが官能へと変わっていく。 読者はノーラと共に、官能の世界を旅し、次第に真実へと近づいていくのだが、事件は二転三転し、やがて本当に真実への到着と共に、この旅も終わる。 雑誌の紹介で知り、是非読みたくなって、インターネットの本屋さんにわざわざ注文して買った本。いっきに読んでしまった。 読み出した最初から、ずっと重苦しい気持ちで、まるで霧の中に迷い込んだ錯覚を覚えた。 最初は、殺された妹の、日記から基づくMとの出会いとアブノーマルなセックスへの入り口 までが描かれており、その先に彼女と彼の間に何があったのかは、一切わからない。 その謎を解くべく、主人公のノーラは危険を承知でMに近づくのだが、彼の方がずっと ウワテで、まるで彼の術中にはまってゆくように、ノーラとMの関係が深まってゆくのだ。 Mは妹との間に何があったのかを話す変わりに、ノーラにSMプレイを強制する。 ノーラは、それを屈辱的と感じながらも、妹の真実が知りたい為に、彼に服従し、最初は屈辱的と感じていたその行為も、次第に快楽へと変化してゆき、自ら進んでその行為をするようになってゆくのだった。その様が、なんとも自然で、こちらまで引き込まれていった。 そして、徐々に妹の真実の姿が見えてきて、彼女がどんなに嫌でも、Mに従わざるを得なかった理由がわかってくる。 それは、ずっと昔に起きたある事件にかかわる、深層心理に影響されていた。 SMと、家族や姉妹の愛情、犯人探し、屈辱と官能の境界線、裏切りと信頼など、この作品には、実に様々な要素が組み込まれていて、それが絶妙のバランスで保たれており、読み出したら止まらない、読者を夢中にさせる本であったと思う。 この作品が発表された時、「O嬢の物語」に匹敵すると評されたそうだが、納得である。

Posted byブクログ