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羽根と翼 の商品レビュー

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2017/12/23

黒井千次さん、最近は「老いのかたち」「老いの味わい」などのエッセイを書かれていますが、「羽根と翼」(2000.7)を読んで、純文学作家さんであることを再確認しました。1955年に大学を卒業した若者たち、共産党宣言を読み、ブルジョアとプロレタリアについて考え、歌声喫茶でロシア民謡、...

黒井千次さん、最近は「老いのかたち」「老いの味わい」などのエッセイを書かれていますが、「羽根と翼」(2000.7)を読んで、純文学作家さんであることを再確認しました。1955年に大学を卒業した若者たち、共産党宣言を読み、ブルジョアとプロレタリアについて考え、歌声喫茶でロシア民謡、カチューシャ、山のロザリオなどを歌い・・・。リーダーで闘志だったもの、会社に入って出世したもの・・・。「嘘」とは何か、「大人」とは何か、「愛」とは、いろんなことを問いかけてくる小説でした。読み応えがありました。

Posted byブクログ

2014/05/17

学生運動を経て、社会人として組織に身を置く。高度経済成長期にあって、遮二無二働くうちに定年を迎え、気が付けば空虚な生活に甘んずる日々。身を寄せるよすがの友はなし。旧知との出会いとて煩いに始まり、次第に懐旧の念は高まるも、すでに結成へと発展する情熱は望めず。彼らは幻の男を通してさ迷...

学生運動を経て、社会人として組織に身を置く。高度経済成長期にあって、遮二無二働くうちに定年を迎え、気が付けば空虚な生活に甘んずる日々。身を寄せるよすがの友はなし。旧知との出会いとて煩いに始まり、次第に懐旧の念は高まるも、すでに結成へと発展する情熱は望めず。彼らは幻の男を通してさ迷うも、果たして遭遇によってさえ孤独は払え切れない。

Posted byブクログ