ビジネスモデル特許戦略 の商品レビュー
ITバブル華やかし頃の米国における、特許の現状と、その有効な活用方法を論じた本。尚、別にビジネスモデル特許に限った話をしてるわけではないのに、なぜこのような邦題を付けたかは、役者のあとがきを読んでも定かではない。 本書はまず、米国のビジネスシーンにおける知財の歴史的な趨勢を語っ...
ITバブル華やかし頃の米国における、特許の現状と、その有効な活用方法を論じた本。尚、別にビジネスモデル特許に限った話をしてるわけではないのに、なぜこのような邦題を付けたかは、役者のあとがきを読んでも定かではない。 本書はまず、米国のビジネスシーンにおける知財の歴史的な趨勢を語った後、事業のステージに応じた特許戦術を記述している。成長ステージにある事業に関しては、パテントマップを用いて、参入できそうな市場を見つけ出すか買収を仕掛ける方法に関して論じている。修正ステージにある事業に関しては、クラスタリングやブラケッティングを通じて事業を守ることや、ライセンシングにより高い利潤を上げる方法に力点が置かれている。売却ステージにある事業については、売却先のリサーチや、特許を魅力的なパッケージに まとめることに関して、記述がある。 その他、研究開発の際に、特許を考慮しないとどのような事柄が発生しうるかに関し、失敗例を交えて論じ(特許紛争のために倒産した企業などが紹介されており、個人的に、本書で最もインパクトが強かった)、そうした事態を回避する方法論や、知財を目的としたM&Aに関して気を付けるべき点(有効期限、維持費、発明者の在籍状況など)、オープンソース・コミュニティが如何に特許と向き合うべきか、などに関しても、丁寧に論じられている。 総じて、パテントマップソフトを販売している企業の社長が書いた本だけあって、具体的提言が豊富な事例で支えられており、15年近く前の著作ながら、今なお得るものが多い。☆4つ。
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邦題でちょっと怪しい印象を受けてしまうのだが、最初の半分ぐらいが意外に面白かった。特許分析は後づけでは?と思ってしまう部分が一部あるものの、米国の特許訴訟の大枠を知るのにはよい一冊かも。
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