愛媛・新風土記 の商品レビュー
愛媛県の地理、歴史、そこからなる文化、風土がよく分かる 今ではすでに消滅したようなものもある、時代の流れは早い
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前に松山に帰ったときに、松山の紀伊国屋書店の「郷土の本」コーナーにあったのを買ったもの。 松山を離れてもう6年、松山のいろんなことや、方言も忘れかけているこの頃、故郷のことを改めて知るのもいいかと思って。 コーナーの中から何気に選んだ本でしたが、思いがけず良書を選んでいたと思いま...
前に松山に帰ったときに、松山の紀伊国屋書店の「郷土の本」コーナーにあったのを買ったもの。 松山を離れてもう6年、松山のいろんなことや、方言も忘れかけているこの頃、故郷のことを改めて知るのもいいかと思って。 コーナーの中から何気に選んだ本でしたが、思いがけず良書を選んでいたと思います。 第一部 愛媛の風・水・土 第二部 歴史のなかの伊予 第三部 近現代―二十世紀の愛媛 地理の教科書的な内容が並びますが、著者の観点が面白く、特に第一部には、民俗学的見地からも愛媛の歴史的な風土について書かれていて、大変面白かったです。 第二部では、ふだんイメージする「日本の歴史」というのが、全国的な観点の歴史にしかすぎないことを思い知らされました。郷土の歴史をほとんど知らないということを含め、日本人の多くは地方に関する歴史を知らなさすぎるんじゃないかと、恐くなりました。街道のこととか、港のこととか、廃藩置県がどのように進められてきたかとか、地域の特産物がどのように作られるようになってきたか、とか色々と。 5月の連休に産土神社の大山祇神社に参拝する予定ですが、この機会にふるさとの愛媛を見直す良いきっかけとなりました。 著者は、愛媛出身ではないものの、長年地理学を研究してこられた愛媛大学の先生だそうです。情熱をかけて愛媛の地理を調査(フィールドワークもそうとうされていると見受けられます)、研究されてきたこと、この一冊から伺えます。 こんな素敵な先生がいるなんて、愛媛大学も素敵な大学に思えます。
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