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フランス革命についての省察(上) の商品レビュー

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2022/11/10

学校の歴史では清教徒革命-名誉革命-フランス革命を年号の語呂合わせのセットで覚えただけだった。フランス革命については中央公論社「世界の歴史」で少し詳しく読んだが、中高生の頭では「出来事」は覚えられてもその「意味」は理解できていなかったようだ。 本書はバークが、フランス在住の友人...

学校の歴史では清教徒革命-名誉革命-フランス革命を年号の語呂合わせのセットで覚えただけだった。フランス革命については中央公論社「世界の歴史」で少し詳しく読んだが、中高生の頭では「出来事」は覚えられてもその「意味」は理解できていなかったようだ。 本書はバークが、フランス在住の友人?からフランス革命について見解を求められた手紙の返信である。おそらくは「『封建制を打倒して人権を確立した先進的で格好いいワタシたち』像に酔って革命への賛同を期待していそうな手紙の相手」に対して、慎重かつ冷静に(ときおり熱くなってる感が見え隠れするが)自身の見解と公式な「立場」を諭している。 係り受けが難しい(英語→日本語翻訳の限界なのかも?)文を何とか読み終えたが、バークは革命を戦争と同様、「他の方策が尽きた場合のやむを得ない最終手段」と考え、それ故に王政そのものを存続させた名誉革命を「最少失点で乗り切った」点で評価しているようだった。そのため、ルイ16世とマリー・アントワネットの失政(というか無気力)やフランスの財政問題、人権に対する絶対君主制の欠陥を十分に承知した上で、フランス革命政府=国民議会が漸進的な立憲君主制への移行を試みようとせず、性急に無謀なグレートリセットに走ったことを批判している。 勝手に行間から想像(妄想)を膨らませてみると、本文に「旧ユダヤ人街」(イギリスの)や「金融勢力」というフレーズが目に付いたので、もしかしたらバークには「教会資産の強奪」「旧貨幣の停止と新紙幣発行による経済混乱」「言論界の独占によるスケープゴートの捏造」から「革命の裏で暴利を貪った者共」の存在が見えていたのかもしれない。 それにしてもサヨク・リベラルの「自分だけが正しい」「絶対正義の人権・自由・平等・博愛(現代では平和と環境とポリコレを追加)を唱えれば何をしても正当化される」「古いものはすべて悪、革新だけが善」「金持ちはそれ自体が悪、俺によこせ」「他人の欠点はどんな些細なものでもあげつらうが、自分たちへの批判は絶対に許さない」思考が18世紀から全く「進歩してない」ところには苦笑せざるを得ない。

Posted byブクログ

2014/03/05

本書によれば、フランス革命は、抽象的な「自由」や「権利」の下に伝統を破壊している。このようにバークは、革命後の政治的混乱を指摘している。保守主義は、体系的ではない論考の形をとる傾向があるのかもしれない。

Posted byブクログ