アルキメデスは手を汚さない・暗黒告知 の商品レビュー
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アルキメデスは手を汚さない/小峰元:第19回大賞受賞。1973年。 これは40年前に読んでいる。高校生を主人公にってのが珍しくて。だいたいオトナが主人公だったから。オトナが書く高校生ってのが、どんなのかも興味あった。 今読むと古臭い(当時も新しくはなかったが)が、軽くてドライで読みやすい。内容は覚えていなかった。 堕胎手術を受けた女子高生が死亡した。死亡自体は子宮外妊娠だったので不振ではないが、問題は誰が妊娠させたのかということ。本人は語らなかった。 マンション建設における日照権とか、当時の社会問題がてんこもり。法律さえ守っていればよいのか、って。その陰で泣く庶民もいるのだって。 崇高な目的が何にも増して優先順位高い、は若さゆえ。まさか、妊娠して死ぬとは思わなかったんだろうねぇ。この父にしてこの娘あり、だね。せめて、愛のないセックスでも気持ちよくてよかったね、くらいな。 で、作者のことばで、三銃士のような悪漢小説を書き続けたかったんだ、って思った。この後のシリーズも読んではいる。高校時代を彩った懐かしい小説。1冊は保管しているはず。 暗黒告知/小林久三:第20回大賞受賞。1974年。 足尾銅山事件だからね。明治だし。そのころに起きた密室殺人、連続殺人。 反対派農民、密偵。昨日の友は今日の敵。誰がどう寝返るかわからない。指紋も一部しか認識されてない時代。 ヒントは、海外のミステリー小説。ポーとかね。 明治と土着と貧困についていけなかった。
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「アルキメデスは手を汚さない」「暗黒告知」 どちらもテーマ性重視でトリックや文章力は荒っぽいところがあるけど、普通に楽しめた。 どちらかと言えば、暗黒告知の方が面白い。
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江戸川乱歩賞 (収録作品)「アルキメデスは手を汚さない」小峰元(1973/19回)/「暗黒告知」小林久三(1974/20回)
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「アルキメデスは手を汚さない」では、ミステリーの要素はちょっと不足するがよりも、高校生たちの純粋ゆえの恐ろしさがたんたんと描かれた後半におもしろみが凝縮していた。
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中島梓さんが、乱歩賞作家の作品にはハズレが少ないと書かれていたが、そのとおりだと思う。小学生の頃、高校生ってすげーと思って読んだ思い入れのある小説。
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