須賀敦子全集(第6巻) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
難易度の高い本だけれども そこには自称知識人たちにありがちな 傲慢に包まれた文章はありません。 彼女の造詣の深さをうかがわせる 落ち着いた、それでいてどこかイタリアという国への 愛さえも感じさせる、評論、書評。 こういった文章を書けるからには 私たちが見えないところで それはそれは涙ぐましいほど多くの本を読み その知識を脳内に刻み付けてきたのでしょう。 書評に出てくる人に ギンズブルグという女性作家がいます。 この人は家族というものをテーマにした 巧みな作品を残しています。 本中には出てきませんが きっとどこか著者は 彼女の気持ちが痛いほどわかったのでしょうね。 大事な人を亡くしたのも まさに共通していますし。
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