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模造世界 の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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ガロイなんて作家知ら…

ガロイなんて作家知らなかったのですが、これ大当たりでした。1960年にバーチャル・リアリティ小説を書くだけでもすごいのに、ストーリー自体も充分うまくできています。「マトリックス」もイーガンの「順列都市」もこれのパクリなのね。おすすめ!

文庫OFF

一気に読めました!自…

一気に読めました!自分の世界がもしも誰かに造られた世界だったら・・。仮想現実を舞台にした物語です。

文庫OFF

現実なのか?

主人公がいる世界は現実なのか?それとも仮想の世界なのか? サクサクと読めます。

けろん

2024/06/11

完全な市場調査ができるとして創られた仮想世界。その完成寸前で死亡した開発者の死の真相を別の研究者が追っていると、突然他の人々からは開発者の存在する記憶がなくなってしまう… 話のテンポも良くて、難しくもなく、面白いSFミステリーとして読めました。

Posted byブクログ

2022/05/11

1964年の作品。現代(2022年)からしてみるとなんと60年近く前の作品。 マーケティングのために開発された社会環境シミュレータをガジェットとして話が進む。 このシミュレータ、架空の世界を作り、そこに住まう人々を定義/プログラミングして、 マーケティングシミュレーションに用いよ...

1964年の作品。現代(2022年)からしてみるとなんと60年近く前の作品。 マーケティングのために開発された社会環境シミュレータをガジェットとして話が進む。 このシミュレータ、架空の世界を作り、そこに住まう人々を定義/プログラミングして、 マーケティングシミュレーションに用いようというのだが、勘のいい方ならこの先の展開ももうお分かりであろう。 今でこそありふれた展開ではあるが(そもそもコンピュータゲーム自体がすでにシミュレータ化しているし)、 当時としては画期的な展開だったのではなかろうか。 なお、このような古典SFはレトロフューチャー感を楽しむのも一つ。 シミュレーションコンピュータがスイッチとリレーでできている、という記述はたまらない。

Posted byブクログ

2020/03/19

ディックの短編集と混乱しそうなタイトルのSF長編。 リアクションズ社で開発した大型シミュレーターマシン、シミュクロン3。メイン開発者のフラーは、お披露目を前に何者かに殺害された。代わりの開発者となったホールはシミュレーターの必要性をアピールしようとするが、その矢先に人が消えるな...

ディックの短編集と混乱しそうなタイトルのSF長編。 リアクションズ社で開発した大型シミュレーターマシン、シミュクロン3。メイン開発者のフラーは、お披露目を前に何者かに殺害された。代わりの開発者となったホールはシミュレーターの必要性をアピールしようとするが、その矢先に人が消えるなどの不可解な現象に遭遇する。そのことから、ホールのいる世界が、何者かに作られたシミュレーションであるのではないかという疑問を抱く…。 タイトルで壮大にネタバレされているが、そのネタバレが有りでも十分に楽しめる作品である。世界の多重構造。その構造を繋ぐためのシミュレーターという道具など、よく寝られたプロットの上に構築されており、訳も丁寧で、ディックの作品をわかりやすく整理したようなストーリーで好感を持てる。 また、シミュレーターの都合で人物を追加や削除ができるのだが、きちんとそれらも辻褄の合うように記憶のプログラムが書き換えられるなど、多様な出来事も理解しやすい。 後半のジンクス(フラーの娘)とのからみなどは、若干散漫に感じる部分もあったが、シミュレータの中での「我思う、故に我あり」というデカルトの精神と、人でありプログラムの存在意義という部分が一見小難しく見えるが、そこが本作の幹となっている。 でまあ、難点は、やっぱりジンクスかなあ。ジンクス絡みの話は、結末までに無いと困るのはわかるが、付け足し感があるのだよ。星1つ減らした理由。

Posted byブクログ

2012/09/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「模造世界」ダニエル.F.ガロイ/中村融 訳 メタ世界SFミステリ。スモーククリスタル。 近未来、精巧に現実を模した市場調査用の世界シミュレーションによって、反応モニターと呼ばれる現実世界の調査員たちの職が奪われようとしていた。 それと同時に次々と存在を消してゆく、シミュレーション関係者の人々。彼らは他人の記憶からすらも失われ、主人公ダグラス・ホールは真相究明に奔走する…。 ※ いわゆる形而上学的な世界の枠組みを電子世界で描写し、縦横無尽にミステリしてます。(縦=世界の位相、横=世界の平面) 事件、動機、犯人はそこまで意外性のあるミステリとは言いませんが、とにかくこのメタ世界観が自分はドンピシャで好きなんです! 正直、公式反応モニター協会の存在意義は、やられました。でもこれは多分マトリックスシリーズのエージェントとは違って、あくまで自律ユニットなのでしょう。 そして、奇跡のエンディング。こちらも、高山竜司と違って強く望んだ結果ではないけれど。 1964年の作品です。良いねー、良い! 世界は創造主を模して作られた、という命題を、モニタリングという目的に関連付けさせた設定はナルホド。 「我思う、故に我在り」とは、何なのか?僕は、世界の枠組みがこうであるのならば(むしろそうだと信じていますが)、主体のレベルの問題は悩むところではないし、そして上位のレベルを知りたい、ととても思う。 大好きなメタ世界観なので、(5)

Posted byブクログ