花の反逆 大友宗麟の妻 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
今まで読んだ大友家関連の書籍で読後感が一番爽やかな本だったかもしれない。もっとゆっくり読めばよかった。 白石先生の宗麟に盃を投げつけられてそれを投げ返す猛々しい奈多も好きですが、この本の凛としつつも可愛らしさが残った奈多も大好きです。大好きです。(二回言った) 奈多が南蛮人→キライ!ではないのがとにかく新鮮でした。 奈多も豊後にすんでたんだから、宗麟と同じく異国の文化やひとに対する理解が多少なりともあったんだろうなー。ポルトガルの商人さんと娘(前夫との子供)と仲良くしている奈多に和みました。 あと子供たちも割と出てきて嬉しかった。親盛が最高に良い子。そしてやはり頼りないと形容される義統。 それと宗麟のやんちゃっぷりが凄い。やっぱり精神ジェットコースター。 仲良し兄妹な奈多と親賢を「おめーら実は愛し合ってんじゃねーの?!」と疑ってかかる嫉妬深さに管理人は驚きを隠せない。自分は浮気してるくせに!まぁでも宗麟はそういうところも含めて宗麟ですけどね。やきもちやきの宗麟可愛い。(・・・) なんかこの本の宗麟は憎めない感じです。子供っぽいというか幼い感じが。 ラストに「なんか奈多の前だとつい弱音吐いちゃうんだよね」と苦笑する宗麟に不覚にもときめきました。 この小説の宗麟夫婦はいわゆる「理解できるけど妥協しあえない」関係で志木沢先生の宗茂夫婦に通じ合うものがありました。近づいたらお互いが駄目になる。 一緒にいたら幸せにはなれないけど意識し続ける存在というか。お互いに「仕方ないなー」と思っているというか。本気で憎み合っているわけではないんですよね。そういうの好きよ。 大友一家みんな魅力的で素敵な本でした。素晴らしいです。
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