歌ことばの泉 の商品レビュー
年のはじめ、春待つ、梅雨晴れ、今朝の秋、隙行く駒、佐保姫、空蝉、やさし、すさび、ほしいまま、幻、たたずむ、あなかま、しのぶ、障子、砧、さらす、浮き寝、走馬灯、漁火、浮舟、笑み、日暮れて道遠し、行方、横抱き、と渡る、ここだーなど150ほどの歌ことばについて、1ぺージずつ、語の由来や...
年のはじめ、春待つ、梅雨晴れ、今朝の秋、隙行く駒、佐保姫、空蝉、やさし、すさび、ほしいまま、幻、たたずむ、あなかま、しのぶ、障子、砧、さらす、浮き寝、走馬灯、漁火、浮舟、笑み、日暮れて道遠し、行方、横抱き、と渡る、ここだーなど150ほどの歌ことばについて、1ぺージずつ、語の由来や意味、和歌や短歌・俳句での使われ方について、興味深く述べている。言葉というものの持つ歴史の深さに打たれてしまう。うーん、たとえば、「やさし」は「痩す」と同根の語で、人目を恥じ実も細るという意であったという。それが時代とともに意味を広げていったようだ。沢庵和尚の「優しさなど無用・・・」という言葉や「たそがれの鼻歌よりも薔薇よりも悪事やさしく身に華やぎぬ」(斎藤史)という短歌に惹かれてしまう。「多摩川に曝す手作りさらさらに何ぞこの児のここだ愛しき」という万葉集の東歌のなんて素敵なことよと思う。「ここだ」とは高ぶった愛情表現を言う。
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