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リー・クアンユー回顧録(上) の商品レビュー

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2020/11/20

中田敦彦のyoutube大学で紹介されてた本。絶版なので図書館で借りたが、本当に面白い。一国のリーダーの軌跡が詳細に記されている。日本の占領下で青年リー・クアンユーが何を見て、何を思ったかも興味深い。 P66 私は戦争直後に目撃したことを通して人間の醜さ、不条理といったものを完全...

中田敦彦のyoutube大学で紹介されてた本。絶版なので図書館で借りたが、本当に面白い。一国のリーダーの軌跡が詳細に記されている。日本の占領下で青年リー・クアンユーが何を見て、何を思ったかも興味深い。 P66 私は戦争直後に目撃したことを通して人間の醜さ、不条理といったものを完全に理解できたと思う。日本軍の三年半にわたる占領期が人間の現実を学ぶ大学の学位にあたるなら、解放されたシンガポールの最初の一年間はそれの大学院の授業だった。 P132 華人の移民者は子供達の教育を自力でやっていくしかなかったのである。寄付を集め自分たちの学校を建てた。 彼らには収奪されているとの気持ちがあり、経済的なチャンスに恵まれないため、学校は共産主義者の温床になっていた。 P193一つ奇妙なことは、彼らがいったん共産主義を捨て去ると、例えば一人の華人中学校学生リーダーのように、失われた過去を取り戻そうと極端に強欲になることだ。青年時代の最も大切な時期を奪われたと思うのか、失ったものの埋め合わせをしようとする。のちに中国やベトナムでも起きたことを私はシンガポールでこの時にすでに見ていたのだ。共産主義がユートピアをもたらさないことがわかり、経済が自由主義に戻ると、事業認可を出す権限や政府価格で物資やサービスを手に入れることのできる政府幹部は、真っ先に汚職に走り、大衆を食い物にしたのである。

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2024/06/28

シンガポール建国の父による回顧録。一時ひどく高値品薄だった。 図書館で見つけた本書は、「訳者の責任において原著の一部を割愛し、日本版として」出したものと前文にある。 どのあたりが削られたのか気になります。シンガポール占領時の日本軍のご乱行、、、といった箇所でないことを祈る。できれ...

シンガポール建国の父による回顧録。一時ひどく高値品薄だった。 図書館で見つけた本書は、「訳者の責任において原著の一部を割愛し、日本版として」出したものと前文にある。 どのあたりが削られたのか気になります。シンガポール占領時の日本軍のご乱行、、、といった箇所でないことを祈る。できれば原著も確認したい

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2011/10/09

シンガポールを一流国家たらしめた政治家リークアンユーの自伝。常々からシンガポールとそれを作ったリークアンユーに興味を持っていたので、読んでみたが、やや期待はずれであった。基本的に内容は、彼の生い立ちからマレーシアからの独立までであったが、事実描写が多く冗長であった。とはいえ、彼が...

シンガポールを一流国家たらしめた政治家リークアンユーの自伝。常々からシンガポールとそれを作ったリークアンユーに興味を持っていたので、読んでみたが、やや期待はずれであった。基本的に内容は、彼の生い立ちからマレーシアからの独立までであったが、事実描写が多く冗長であった。とはいえ、彼が民衆の支持を得る上で言語に苦労していたという話は印象的であった。国家や政治家とは何かを多少、考えさせられる点だった。あと気になった点は、共産党に対するやや偏った見方であった。戦後は多くの国で共産党が独立運動において重要な役割をになってきたと認識していたが、シンガポールでは特にリーにとっては「敵」として捉えられていた。後半はシンガポールの国家戦略や国家設計などについて多くが割かれると思うので、次も頑張って読んでみようよ思う。

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2011/07/09

国を背負って立つ人はこうあるべき。 気合いの入り方が違う。 独裁者と紙一重なのだろうが、成長期の組織を率いる時は、優秀な独裁者が仕切った方が効率が良い。シンガポールは、良い時期に、良い人がトップに立ったと思う。

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2011/02/07

シンガポール初代首相、リー・クアンユーの自伝(の上巻)。 買うには高いので、図書館で借りてきて3週間かけて読了。 アマゾンでの価格が下がったらいつか買う。 上巻は、学生時代から始まり、弁護士、政界進出、マラヤ連邦との統合を目指し、そして分離・独立まで。 他の多くの皆さんのレビュ...

シンガポール初代首相、リー・クアンユーの自伝(の上巻)。 買うには高いので、図書館で借りてきて3週間かけて読了。 アマゾンでの価格が下がったらいつか買う。 上巻は、学生時代から始まり、弁護士、政界進出、マラヤ連邦との統合を目指し、そして分離・独立まで。 他の多くの皆さんのレビューにあるように、上巻は結構気分が暗くなる。 リー首相自身がマレーシアの誕生に尽力し、そして統合後たった2年でマレーシアから追い出される形でのシンガポールの分離・独立を決めるのは、忸怩たる思いがあっただろうと思う。 マラヤ連邦とシンガポールにおける民族比率の違い、マレー人の華人に対する劣等意識、経済的な依存、地理関係、英国との関係性など、多くの要素がマラヤ連邦とシンガポールの関係性を特徴づけているのが分かる。 下巻で出てくるのだろうが、マレーシアにおけるブミプトラ政策などあたりに見られるのかなあ、という印象。 また、マレーシア・シンガポール・インドネシア・イギリスあたりの歴史、関係性や、当時を生きていないぼくとしては共産主義の脅威や狡猾さについても学ぶことができた。 政治という仕事がどういう仕事なのか、本当によくわかる本。 そして、これでいいのか、という気持ちも持った。 下巻はシンガポールの発展が描かれると思うので楽しみ。

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