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光の帝国 の商品レビュー

4.1

846件のお客様レビュー

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2009/10/04

 全部で十本の短編からなるのだが、最初の二本は可愛らしいものだった。こんな能力を持っている人たちなんですよ、という自己紹介的なもので温かい読後感すらあった。その後の話はTVでやっている『世にも奇妙な…』感じの内容になってくる。  中でも『オセロ・ゲーム』は怖かった。必死に日常生活...

 全部で十本の短編からなるのだが、最初の二本は可愛らしいものだった。こんな能力を持っている人たちなんですよ、という自己紹介的なもので温かい読後感すらあった。その後の話はTVでやっている『世にも奇妙な…』感じの内容になってくる。  中でも『オセロ・ゲーム』は怖かった。必死に日常生活を営んでいるなかで、常に襲撃に備えて気を配る女性はすでに夫を失い、娘を巻き込まぬよう細心の注意を払って過ごしていた。しかしある時日々の疲れにつけこまれて襲撃を受け、そこを覚醒してしまった娘に助けられる。女性は夫を取り戻す決意をしつつもこの先娘も戦わなければならないことに新たな苦悩を背負うことになる。  というお話。これでは何のことやらさっぱりだが、実際、読んだときにはあせりと恐怖感しか伝わってこず、何に『襲撃』を受け、それと戦っている(精神戦)ときの『裏返す』というのはどういう意味か、さっぱりわからない。ただ他の話を読んでいると、現代人の心の闇とか文明が進んだための環境破壊とか、今人間が汚染されつつある『何か』を実体化したものなのかな、と思った。  タイトルにもなっている『光の帝国』は戦中時に「ツル先生」のもとに集まった常野の子供たちの末路を描いているもので、人間の業の深さと理不尽な怒りに囚われる内容だった。ただ最後に「また戻ってくる」という言葉は何なのか。それは希望なのか、そう思いたいと願ったラストだった。  すると一番最後のお話、『国道を降りて…』で子供たちのうちの一人が出てきた。おそらく転生して。長生きの「ツル先生」がとても喜んでいたのが救いだった。

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2009/10/04

不思議な力(能力)を持つ常野の人々の様々な暮らしが描かれています。何個かの、短編からなっていてとても読みやすいです。短編同士で、リンクしているものもあって、そこもまたおもしろい。 続編を期待したいです。

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2009/10/04

「青春と読書」に連載中、続きが一番読みたかったもの。 恩田陸という作家に初めて出合った作品です。 常野の人々の話をもっと読みたいですね。

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2009/10/04

特殊能力を持った一族「常野」の人々の日常と「常野」一族の繋がりを短編集で綴ってある。 初めてファンタジーものを読んだ。 ホラーにも取れるけど、神秘的でいい感じ。

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2009/10/04

恩田陸さんの小説です。ファンタスティックというか、不思議な気持ちになれます。私は引き出しの話が好きです。

Posted byブクログ

2009/10/04

常野という不思議な力を持つ一族ににまつわる話が収められた短編集。それぞれの物語に少しだけ繋がりがあります。最後まで読むとやさしい気持ちになれました。

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