魔風海峡 の商品レビュー

荒山徹(著者)

2019/05/18

豊臣秀吉の朝鮮出兵．石田三成の名を受けた真田十勇士も任那に隠された埋蔵金を探すべく挑戦に渡る．檀奇七忍衆と家康配下の服部半蔵が行く手に立ちふさがり奇想天外な忍術対決を繰り広げる．

2012/08/04

忍術と言っても、していいことといけないことがあるはずです。荒山徹はその区別が付いていません。
臨海君が朝鮮妖術に眉をひそめたように、私もまた、荒山徹に眉をひそめざるを得ません。

朝鮮に埋蔵されている黄金仏像をめぐって、真田幸村・真田十勇士と朝鮮王子・朝鮮忍者が死闘する話。
どうかしているとしか思えない忍術描写を前にすると、人はただ笑うしか無くなるのでしょう。
それにも増して魅力的なのが人物描写で、父との葛藤を乗り越える幸村はもちろん、若き王として急成長する臨海君が特にすばらしかった。葛藤を抱える半蔵も人間くさくて良い。
家康の天下盗りの動機とか、どうかと思う人も多々居りますが。
あと、ちょっとしか出てこない加藤清正がものすごく男前。
そして男臭い小西行長というのが意外に良い。