ぼくはこうして大人になる の商品レビュー
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何ともやるせない気持ちで、どう表現していいかも分からない気持ちが、常に心の中でヴェールのように付き纏っていた。そんな時に出会った本。 単純にタイトルに惹かれて手に取り、自分と同年代の子の話らしいということもあり、読んでみた。 内容は、男の子を好きな男の子の話。この子の気持ちが分かったとか、共感できたというわけではなかったけれど、何故か私は救われた。感激したからかもしれない。心に感じて、心に刺激が突き刺さった気がした。 著者の長野まゆみさんは、私が初めて好きだと感じた小説家です。
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優等生で、クラスの皆から頼られている一 けれど、一はそうして頼られることでしか自分の価値を感じられないところがあった・・・ この心境に共感できたとき、虚しいさを覚えずにはいられませんでした。 まるで、今の自分を見ているようで・・・ 大人になる(精神的に成長する)のは一だけではなく、クラスメイトの人達も同じで 手助けを必要とされなくなったときの一の脱力感もまた、虚しく感じるものでした。 それにしても、やはり長野まゆみさんの少年愛はいいですね、ときめきました。 そのことをすんなりと受け入れられない一の心理も、一部共感できるところがありますし 最初は自制を保っていたのに、いつの間にかそれが保てなくなった場面が良かったです。
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強か者を装っても今ひとつ成り切れず、何かの拍子でポキン、と折れてしまうあたりがたまらなく「少年」なんだよなぁ… 七月よりも亜細亜との関係の方に激しく興味が湧いてしまった。
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イッくんの成長物語。 自分の役割を淡々とこなしていたつもりが、 実は結構がんばりすぎちゃってて…。 http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-54.html
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再読。長野まゆみの硬質でキラキラした少年世界は好きだけれど、現実世界を描いたものには、微妙な生々しさが加味されて、彼女が目指した着地点に私もきちんと降りられたのか、わからなくなります。これもそうでした。 深くつきつめればとことんシリアスな話にもなりますが、中学生の不安定な心理描...
再読。長野まゆみの硬質でキラキラした少年世界は好きだけれど、現実世界を描いたものには、微妙な生々しさが加味されて、彼女が目指した着地点に私もきちんと降りられたのか、わからなくなります。これもそうでした。 深くつきつめればとことんシリアスな話にもなりますが、中学生の不安定な心理描写を最優先させて、裏に潜む重いテーマからは抜け出しています。ただそのことで、読後感の収まりの悪さは多少生じます。 でもそれがティーンエイジャーの抱えるもやもやした感じにちょうどよく合っていました。 彼女の作品の登場人物は、複雑な相関関係を持つことが多く、この作品もそうですが、キャラが立った人物描写や主人公のモノローグによって、ややこしい人物相関がうまく理解できるように工夫されています。 ファンタジックな「少年アリス」も、こんな風に大人になっていって、少しずつ現実社会との距離が縮まっていくのかなあと思いながら読みました。
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2008年2月7日 (学校の図書室) まさかそーゆー系の本だとは思いもしませんでした笑 七月かっこいい!! ってか、あの男は小さい一に何したの?! ってかいっちゃんイトコとそういう関係?! でも面白かったですw
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幼少期、自分は女だと思って育ってきた過去を持つ一(はじめ)。 それは誤解だと知った今では、一見、普通の男子中学生としてすごすが、男性しか興味が持てない、自分の性癖を隠していた。 ある日、姉につられて参列した葬式で、七月(なつき)という少年に出会い・・・・。 長野まゆみ作品で、...
幼少期、自分は女だと思って育ってきた過去を持つ一(はじめ)。 それは誤解だと知った今では、一見、普通の男子中学生としてすごすが、男性しか興味が持てない、自分の性癖を隠していた。 ある日、姉につられて参列した葬式で、七月(なつき)という少年に出会い・・・・。 長野まゆみ作品で、1,2を争うほどすごく好きな作品です! 1度読み終わって、続け様に2度も読み返しました。 長野さん独特のエロティシズムな文体、世界観に浸ったら抜け出せない作品だと思います・・・すてき!!
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タイトル通りの話だと思いました。 今の世の中いじめが多いという事もあり、 それを思わすような場面があったので 二回目を読む事はないかと思います。
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表現はさっぱりしていますがJUNE要素有りです。 最初の電話のシーンが頭から離れない…。 繊細な主人公だけど、ねちねちした鬱陶しいソレではないので好きです。
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少し期待はずれかな。あまり、長野さん独特の雰囲気を味わえない気がする。軽くて読みやすいです。失礼な言い方ですが少し文学的なBLという感じ。話としては面白いですが。
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