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肩越しの空 天上の光 の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2009/10/04

菅野氏は「人当りが良くて誰にでも優しい良い人」に見える人の孕む闇を描くのが巧いと思う(「毎日晴天」の秀・明信 等)

Posted byブクログ

2014/09/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この作家の書く文章はどれも好きなんですが、ストーリーも書き口も全部ひっくるめて大好きですね。 一応、ジャンルとしてはヤングアダルトに入る作家なので、出す本のレーベルも限られてくるんですが、文章の レベルとしてはそれにあわないくらい上手いんじゃないかと思います。少女小説やBL小説だったとしても、 コミックスに似たような曖昧さへ逃げた部分が薄いので、言葉の一つ一つが響いてきます。 さて、本作は今日、嫁ぐ朝を迎えた姉と、二つ下の血の繋がらない弟がそれぞれの視点で振り返る十年前の 夏のお話です。もう一人、弟、游の片割れであるコォもいますね。 病弱さを無意識かで装ってしまう游は、虐待された過去を持って橙子の家に来ます。 そんな游を守ろうとする橙子。その半面で、游を疎ましく思ってしまう自分が居ることに戸惑う橙子でもあります。 橙子、游、そしてコォ。三人のそれぞれへの想いが交錯した夏は、過ぎ去ってしまったのにいつまでも忘れられずに、心だけが取り残されて宙ぶらりんになっている様子が痛いほど伝わってきます。 (2004年1月3日)

Posted byブクログ

2009/10/04

「私が十七、弟が十五の夏。―十年前の、あの夏は信じられないほどよく泣いた。弟の連れているあの少年が姿を現した、暑さを感じる暇もなかったあの夏のことを、弟は、どんな風に覚えているのだろう。―彼はあの頃たった一人の、僕の友人だった。彼が何処にいると思って姉さんは、そんな遠い目をして見...

「私が十七、弟が十五の夏。―十年前の、あの夏は信じられないほどよく泣いた。弟の連れているあの少年が姿を現した、暑さを感じる暇もなかったあの夏のことを、弟は、どんな風に覚えているのだろう。―彼はあの頃たった一人の、僕の友人だった。彼が何処にいると思って姉さんは、そんな遠い目をして見せるのだろう。コオ。暑いような、それでいて冷たいような湿気が、肌を包むようだったね。僕らが一番近くて遠かった、あの夏は―。 」書評より

Posted byブクログ